「二つの世代が選んだ戦後の必読書一〇〇冊」(『諸君!』1995年2月号)は秋山駿✕井尻千男✕紀田順一郎による鼎談「『無常といふ事』から『蟬しぐれ』まで」(pp.178-188)と井田真木子✕大塚英志✕福田和也による鼎談「『鉄腕アトム』から『ねじまき鳥クロニクル』まで」(pp.190-200)によって構成されている。
それぞれの鼎談では各氏が「候補三十冊」を提示し、その中から「秋山駿・井尻千男・紀田順一郎が選んだ〔戦後の必読書ベスト50〕」「井田真木子・大塚英志・福田和也が選んだ〔戦後の必読書ベスト50〕」が選定される。二通りの「戦後の必読書ベスト50」を合算して「戦後の必読書一〇〇冊」ということである。福田和也の「候補三十冊」は次の通り。
- 谷崎潤一郎『細雪』
- 川端康成『みずうみ』
- 小島信夫『抱擁家族』
- 小林信彦『大統領の晩餐』
- 富岡多恵子『波うつ土地』
- 色川武大『あちゃらかぱいッ』
- 村上龍『テニスボーイの憂鬱』
- 村上春樹『ねじまき鳥クロニクル』
- 三島由紀夫『わが友ヒットラー』
- 白川静『字訓』
- 保田與重郎『わが万葉集』
- 福田恆存『近代の宿命』
- 江藤淳『文学と私・戦後と私』
- クリストファー・ソーン『太平洋戦争とは何だったのか』
- 桶谷秀昭『昭和精神史』
- 辰巳浜子『料理歳時記』
- 獅子文六『娘と私』
- 洲之内徹『気まぐれ美術館』
- 武智鉄二『歌舞伎とはどんな演劇か』
- ジョン・アーヴィング『ホテル・ニューハンプシャー』
- 山本七平『「空気」の研究』
- 梅棹忠夫『文明の生態史観』
- 吉田司『下下戦記』
- 畑正憲『ムツゴロウの動物王国』
- 見田盛夫/山本益博『グルマン』
- 徳大寺有恒『間違いだらけのクルマ選び』
- 中川季枝子『いやいやえん』
- 石井桃子『ノンちゃん雲に乗る』
- 手塚治虫『火の鳥』
- 水木しげる『ゲゲゲの鬼太郎』
- つげ義春『必殺するめ固め』
- 山上たつひこ『喜劇新思想大系』
- 山岸涼子『日出処の天子』
- 根本敬『亀の頭のスープ』