(第1章)
(第2章)
- 三浦和義 ある「スキャンダル」の構造*2
- 冒険家=革命家と資本主義の精神*3
- グリコのオマケと怪人二十一面相*4
- オリンピック・ボイコットの損得勘定*5
- 文化後進国日本のカルチャー・ショック*6
- 田中角栄と廃虚のコミューンへの欲望*7
- サラ金地獄の底で乱舞する最長寿国の人びと*8
- わが子を犠牲にする現代のジェンナーたち*9
- 「疑わしきは罰せず」ということの逆説*10
- 新札ヒエラルキーと現代消費社会*11
- 真のギャンブラーは政治家と乞食をめざす*12
- 牧田推理「元日本共産党残党グループ犯人説」*13
- 映画を超えた山口組vs一和会戦争*14
- 「青春」を荒廃させる新風俗営業法*15
- 現代の反スケープゴート 三浦和義*16
- 飽食社会が欲望する飢餓民フィーバー*17
- 究極のリクルート 警察からヤクザへ*18
- 「裸で出直す」倉田まり子のフェミニズム*19
- 病に倒れた角栄よ、長嶋茂雄をモデルにせよ!*20
- 三浦和義になれなかった「モルジブ事件」の主人公*21
- 哲人政治家・角栄の存在証明と逆襲*22
- 新聞は神様のシミュレーションである*23
- 「真実」のいかがわしさを証明したTV*24
- 家庭の崩壊が生み落した豊田商事事件*25
- 戦争は過酷な遊戯でなければならない*26
- もうひとつの敗戦記念日 8月12日*27
- 侵略主義の主題歌〝WE ARE THE WORLD〟*28
- 我々は三浦や角栄に共犯的友情を感じている*29
- 世界に貢献するスパイ天国「東京」を守れ!*30
- 阪神の優勝はフランク永井を自殺に追いこんだ*31
- スペース・シャトル爆発とレーガンの目論み*32
- 在位六〇年・天皇は永遠に不滅である!*33
- フェミニズムと落ちこぼれ教師の憂鬱*34
- フィリピン大統領選が教える「悪友」の大切さ*35
- 中野富士見中事件にみるヒューマニズム*36
- リゾート地に生れたリゾート気分の大統領*37
才能 のない芸能人 ほど議員になりたがる*38- マネーゲームに生きる「中流」老人たちの悲哀*39
- 結核センチメンタル 岡田有希子シンドローム*40
- ボーヴォワールとニャンギラス*41
- 死の灰の安全性を「立証」する原発事故*42
- 衆参同日選挙における中曾根の坊っちゃん度*43
- 未遂に終った「父殺し」 新自由クラブの解散劇*44
- 土井社会党を再生させるたったひとつの方法*45
- 藤尾文相罷免で遠のいた「戦後政治の総決算」*46
- ソウル爆弾事件が告げたオリンピックの終焉*47
- リクルート戦線 未来は女のものである*48
- アメリカの「知的水準」発言にみる日本の奢り*49
- ナッパ服のプライドと国労分裂*50
- 小佐野賢治のに死に見る
「異人」 神話の崩壊*51- 近代宗教の終焉を告げた「
真理 の友教会」事件*52- 金日成暗殺? 共産主義国の暗黒部分*53
- 天災=天才は忘れたころにやってくる*54
(第3章)
- プロレスと政治の修辞学*55
(第4章)
- ブラウン管の中の過激な遊戯=プロレス*56
- 少女雑誌のセックス記事と哲学の伝統*57
- 「エキゾチック・ジャパン」で女にモテるか?*58
- 甲子園で演じられるスラップスティック・コメディ*59
- 「朝だ!暁」と「朝だ!徹夜」の大いなる差異*60
- 巨人軍エース江川のアクロバチシズム*61
- 有名人推選の美味い店とファースト・フーズ*62
- 蔓延するハイテク時代の「くれない族」*63
- 人工流産座薬と水子地蔵の逆ユートピア*64
- 大衆社会の中での貴族的遊戯=テニス*65
- 「キャッチ」という現代の民衆宗教*66
- チューハイはチューサン階級の欲望飲料か?*67
- プロフェッショナル長嶋の恍惚と不安*68
- 故郷に危機をもたらす帰省者たち*69
- カール・ルイスの産業主義を越えた「速さ」*70
- ラーメンはアンチ・グルメのフルコース*71
- ストーブ・リーグの面白さと退屈さ*72
- カツ丼で味わう文化的イデオロギー*73
- 忘年会へのカラオケ導入という知恵*74
- 大相撲の救世主? 小錦のスキャンダリズム*75
- 天皇制支配がもたらす正月のけだるさ*76
- 「幕の内弁当」に見る日本的祝祭構造*77
- 家庭で眺めるヌード・カレンダーの効用*78
- 「学問の府」と呼ばれる性的欲望の解放区*79
- インスタント・ラーメンの二律背反*80
- 資本主義とポストモダニズムの禁欲精神*81
- 専門学校ブームとアカデミズムの崩壊*82
- 「素顔の方が嘘つきネ」という言葉の真実*83
- 引退マラソンに見る七恵のルサンチマン走法*84
- ジャイアント馬場のアナクロ・ナショナリズム*85
- 巨人優勝のために江川を監督に!*86
- 大衆酒蔵に集うヒャクショーたちのイッキ度*87
- 亡命への誘い、東京国際映画祭=ヘア解禁*88
- ビールはポストモダン的な飲み物である*89
- ラブ・ホテルのネオンと恋愛至上主義*90
- ビートたけしは三島由紀夫を越えられるか?*91
- 探偵的知を破壊する現代のミステリー*92
- 今、アイドルとは凡庸な人間のことである*93
- ドラフト制度とアマ・スポーツの前近代性*94
- 現代の神話的欲望を代行する芸能界*95
- 「戦後」に呪縛され続けているTV*96
- 田舎の秀才はヒャクショーに徹しなさい*97
- プロ野球選手労組 ヤクルト集団脱退騒動*98
- 時代をつくる三流芸術家 岡本太郎*99
- 政治が「男女産み分け」を許容しない理由*100
- ベンチャー・ビジネスを錯覚した太田博之*101
- 井上ひさし夫妻の離婚とシングル・ライフ*102
- サントリーが先頭に立つグルメ・ブーム批判*103
- ゴールデン街・闇のない時代のルサンチマン*104
- 「八月十五日」という謎 敗戦・旧盆・高校野球*105
- 東京を面白くする東南アジアからの「侵略者」*106
- 罪深き文学は重くて大き過ぎる*107
- 隠幣される歴史 江戸ブームの反動性*108
- 3F・ET時代は大衆社会の終りを告げる*109
(第5章)
あとがき
「あとがき」より。
本書は一九八四年から一九八六年末のあしかけ三年の間に書かれたコラム的文章を中心に、それに関わる総論的というか多少まとまった長い文章を前・中・後に配した。冒頭の「ファシズム・レトロ・ポストモダン」は本年の書き下ろしである。時評的短文は、前半を一応は時事的なもの、後半は風俗的なものとしたが、その区別もかなりいいかげんである。本書がいいかげんさによって積極的でありうるようなものであればと、願っている。
各文章の初出は、『週刊就職情報』を中心に、『別冊宝島』、『ユリイカ』、『すばる』、『現代詩手帖』、『早稲田文学』と多岐にわたっている。いちいち名前は記さないが、それぞれの担当編集者には改めて深い感謝の念を捧げたい。また、本書は畏友・吉田和明氏の慫慂によってできあがった。パロル舎の石渡知徳氏、加門祐人氏とともに、本書が皆の情熱に釣り合うものであることを、今は願っている。
「あとがき」にあるように『世紀末レッスン』は『週刊就職情報』に連載したコラムが大半を占める。山本均作成の「絓秀実書誌」(『重力02』)によれば、絓秀実は1984年3月から1985年まで「めためた風俗クリティーク」というタイトルのコラムを、1986年には「ニュース考現学」というタイトルのコラムを、『週刊就職情報』に毎週連載している。1987年に「A to Z」というタイトルの映画についてのコラムを1月から3月まで月一回連載して、『週刊就職情報』での執筆を終えている。『重力01』掲載の「雑誌、同人誌の構想と現実」というインタビューでは「僕も八十年代の頃は原稿料のメチャ高い媒体があったので、割と生活は楽だった。リクルートの雑誌とかね。」と語っている。
『世紀末レッスン』は『週刊就職情報』連載コラムを完全収録しているわけではないことを「絓秀実書誌」によって教えられる。『世紀末レッスン』未収録の『週刊就職情報』連載コラムは、「絓秀実書誌」を参照すると、次の通りである。
- 映画館のユートピア(『週刊就職情報』1984年5月24日号通巻408号)
- 大魔人、草野球へ!?(『週刊就職情報』1984年7月5日号通巻414号)
- 田中角栄は社会主義者である(『週刊就職情報』1984年7月19日号通巻416号)
- 無題(『週刊就職情報』1984年9月13日号通巻423号)
- 無題(『週刊就職情報』1984年9月27日号通巻425号)
- 猪木の時代は終った!(『週刊就職情報』1984年10月18日号通巻428号)
- 全共闘・センチメンタリズム(『週刊就職情報』1984年10月25日号通巻429号)
- 年末=神々たちの集い(『週刊就職情報』1984年12月27日号通巻438号)
- ゴジラとインテリ(『週刊就職情報』1985年1月24日号通巻441号)
- 復活せよユーモア批評の粋(『週刊就職情報』1985年1月31日号通巻442号)
- 髪型のメタファー(『週刊就職情報』1985年2月14日号通巻444号)
- 「日・東・駒・専」とは何か?(『週刊就職情報』1985年4月11日号通巻452号)
- 百ドルの民主主義(『週刊就職情報』1985年5月23日号通巻457号)
- ヘーゲル大好き・松本伊代(『週刊就職情報』1985年5月30日号通巻458号)
- 団地の盆踊りをセンメツせよ!(『週刊就職情報』1985年8月15・22日号通巻469号)
- グルカ・ショーツは金粉ストリップ・ショーに通ずる(『週刊就職情報』1985年9月5日号通巻471号)
- 防衛論争の八百長相撲をこえるためには(『週刊就職情報』1985年9月19日号通巻473号)
- 日本文化の未来は東武東上線にある!(『週刊就職情報』1985年9月26日号通巻474号)
- 女性原理はエイズには勝てない(『週刊就職情報』1985年10月31日号通巻479号)
- サラリーマンはなぜポルノ小説を読むのか(『週刊就職情報』1985年11月7日号通巻480号)
- プリンスホテルのプリンス=トラキチの神的暴力(『週刊就職情報』1985年11月21日号通巻482号)
- 恋愛によって愛人を打倒しよう(『週刊就職情報』1985年11月28日号通巻483号)
- 三島の死より面白いパフォーマンスはあったか?(『週刊就職情報』1985年12月5日号通巻484号)
- 文学はどのようにして延命するか?(『週刊就職情報』1985年12月12日号通巻485号)
- 今に東京灰になる!?(『週刊就職情報』1985年12月26日号通巻487号)
- コミック雑誌なんかいらない(『週刊就職情報』1986年1月23日号通巻490号)
- (金)(ビ)のお嬢さま(『週刊就職情報』1986年3月27日号通巻499号)
- ヌードのイデオロギー(『週刊就職情報』1986年5月15日号通巻506号)
- 中曽根首相とダイアナフィーバー(『週刊就職情報』1986年6月5日号通巻509号)
- 男性原理と女性原理の間(『週刊就職情報』1986年6月12日号通巻510号)
- 田中角栄の呪い(『週刊就職情報』1986年6月19日号通巻511号)
- ニューアカ以後の保守回帰(『週刊就職情報』1986年8月14・21日号通巻519号)
- 恐怖の未来社会(『週刊就職情報』1986年11月13日号通巻531号)
- 今年の十大ニュース(『週刊就職情報』1986年12月25日号通巻537号)
- 日本映画のレトロ(『週刊就職情報』1987年1月15日号通巻539号)
- 映画における亡命(『週刊就職情報』1987年2月26日号通巻545号)
- B級プログラム・ピクチュアの復活(『週刊就職情報』1987年3月26日号通巻549号)
「大魔人、草野球へ!?」、「「日・東・駒・専」とは何か?」、「(金)(ビ)のお嬢さま」の三篇は「絓秀実書誌」では「『世紀末レッスン』収録」と記されているけれど、本書にはそれぞれの表題に対応するコラムを見出すことができない。
「正月の神話学」(『週刊就職情報』1985年1月10日号)、「東京大学入学者速報」(『週刊就職情報』1986年4月17日号)、「日本人のアイデンティティを否定したモノ」(『週刊就職情報』1986年9月4日号)、「文学が今できること」(『週刊就職情報』1986年9月18日号)の四篇は「絓秀実書誌」では「『世紀末レッスン』収録」と記されていないけれど、それぞれ本書収録の「天皇制支配がもたらす正月のけだるさ」、「田舎の秀才はヒャクショーに徹しなさい」「東京を面白くする東南アジアからの「侵略者」」、「罪深き文学は重くて大き過ぎる」の原題であると推測できる。
本書には書き下ろしの「ファシズム・レトロ・ポストモダン」を除くと109篇収録されている。「絓秀実書誌」において「『世紀末レッスン』収録」と記されているのは108篇である。「大魔人、草野球へ!?」、「「日・東・駒・専」とは何か?」、「(金)(ビ)のお嬢さま」の三篇から「『世紀末レッスン』収録」を削除し、「正月の神話学」、「東京大学入学者速報」、「日本人のアイデンティティを否定したモノ」、「文学が今できること」の四篇に「『世紀末レッスン』収録」と書き加えれば、整合性が取れるのである。
本書収録の「わが子を犠牲にする現代のジェンナーたち」、「故郷に危機をもたらす帰省者たち」の初出年月日は不明であるけれども、「絓秀実書誌」では『週刊就職情報』1984年9月6日号、9月13日号、9月20日号、9月27日号掲載の「めためた風俗クリティーク」が無題になっており、その内の9月6日号、9月20日号が「『世紀末レッスン』収録」と記されているので、先の二篇に対応する初出年月日であると推測できる。
『世紀末レッスン』書評
*1:書き下ろし
*14:『週刊就職情報』1985年2月21日号
*15:『週刊就職情報』1985年3月7日号
*16:『すばる』1985年5月号
*17:『週刊就職情報』1985年3月21日号
*18:『週刊就職情報』1985年4月18日号
*19:『すばる』1985年6月号
*20:『週刊就職情報』1985年4月25日号
*21:『週刊就職情報』1985年5月2・9日号
*22:『週刊就職情報』1985年6月13日号
*24:『週刊就職情報』1985年6月27日号
*25:『週刊就職情報』1985年7月11日号
*26:『週刊就職情報』1985年8月1日号
*27:『週刊就職情報』1985年9月12日号
*28:『週刊就職情報』1985年10月3日号
*29:『週刊就職情報』1985年10月10日号
*30:『週刊就職情報』1985年10月24日号
*31:『週刊就職情報』1985年11月14日号
*32:『週刊就職情報』1986年2月27日号
*33:『週刊就職情報』1986年2月6日号
*34:『週刊就職情報』1986年2月13日号
*35:『週刊就職情報』1986年3月13日号
*36:『週刊就職情報』1986年3月6日号
*37:『週刊就職情報』1986年3月13日号
*38:『週刊就職情報』1986年4月10日号
*39:『週刊就職情報』1986年4月24日号
*40:『週刊就職情報』1986年5月8日号
*41:『週刊就職情報』1986年5月24日号
*42:『週刊就職情報』1986年5月29日号
*43:『週刊就職情報』1986年7月31日号
*44:『週刊就職情報』1986年9月11日号
*45:『週刊就職情報』1986年9月25日号
*46:『週刊就職情報』1986年10月2日号
*47:『週刊就職情報』1986年10月9日号
*48:『週刊就職情報』1986年10月16日号
*49:『週刊就職情報』1986年10月23日号
*50:『週刊就職情報』1986年11月6日号
*52:『週刊就職情報』1986年11月27日号
*53:『週刊就職情報』1986年12月11日号
*54:『週刊就職情報』1986年12月18日号
*76:『週刊就職情報』1985年1月10日号
*77:『すばる』1985年3月号
*78:『週刊就職情報』1985年1月17日号
*79:『週刊就職情報』1985年2月7日号
*80:『週刊就職情報』1985年2月28日号
*81:『すばる』1985年4月号
*82:『週刊就職情報』1985年3月14日号
*83:『すばる』1985年2月号
*84:『週刊就職情報』1985年3月28日号
*85:『週刊就職情報』1985年4月4日号
*86:『週刊就職情報』1985年5月16日号
*87:『週刊就職情報』1985年6月6日号
*88:『週刊就職情報』1985年7月4日号
*89:『週刊就職情報』1985年7月25日号
*90:『週刊就職情報』1985年7月18日号
*91:『週刊就職情報』1985年8月8日号
*92:『週刊就職情報』1985年8月29日号
*93:『週刊就職情報』1985年10月17日号
*94:『週刊就職情報』1985年12月19日号
*96:『週刊就職情報』1986年1月30日号
*97:『週刊就職情報』1986年4月17日号
*98:『週刊就職情報』1986年5月1日号
*99:『週刊就職情報』1986年7月3日号
*100:『週刊就職情報』1986年7月10日号
*101:『週刊就職情報』1986年7月17日号
*102:『週刊就職情報』1986年7月24日号
*104:『週刊就職情報』1986年8月7日号
*105:『週刊就職情報』1986年8月28日号
*106:『週刊就職情報』1986年9月4日号
*107:『週刊就職情報』1986年9月18日号
*108:『週刊就職情報』1986年10月30日号
*109:『週刊就職情報』1986年12月4日号