④『世紀末レッスン』

  • 絓秀実『世紀末レッスン』(発行・パロル舎/発売・風濤社、1987年10月14日 第一刷発行)
    装丁+コラージュ◉谷本浩(Melz)

(第1章)

(第2章)

(第3章)

  • プロレスと政治の修辞学*55

(第4章)

(第5章)

あとがき


「あとがき」より。

 本書は一九八四年から一九八六年末のあしかけ三年の間に書かれたコラム的文章を中心に、それに関わる総論的というか多少まとまった長い文章を前・中・後に配した。冒頭の「ファシズム・レトロ・ポストモダン」は本年の書き下ろしである。時評的短文は、前半を一応は時事的なもの、後半は風俗的なものとしたが、その区別もかなりいいかげんである。本書がいいかげんさによって積極的でありうるようなものであればと、願っている。
 各文章の初出は、『週刊就職情報』を中心に、『別冊宝島』、『ユリイカ』、『すばる』、『現代詩手帖』、『早稲田文学』と多岐にわたっている。いちいち名前は記さないが、それぞれの担当編集者には改めて深い感謝の念を捧げたい。また、本書は畏友・吉田和明氏の慫慂によってできあがった。パロル舎の石渡知徳氏、加門祐人氏とともに、本書が皆の情熱に釣り合うものであることを、今は願っている。

「あとがき」にあるように『世紀末レッスン』は『週刊就職情報』に連載したコラムが大半を占める。山本均作成の「絓秀実書誌」(『重力02』)によれば、絓秀実は1984年3月から1985年まで「めためた風俗クリティーク」というタイトルのコラムを、1986年には「ニュース考現学」というタイトルのコラムを、『週刊就職情報』に毎週連載している。1987年に「A to Z」というタイトルの映画についてのコラムを1月から3月まで月一回連載して、『週刊就職情報』での執筆を終えている。『重力01』掲載の「雑誌、同人誌の構想と現実」というインタビューでは「僕も八十年代の頃は原稿料のメチャ高い媒体があったので、割と生活は楽だった。リクルートの雑誌とかね。」と語っている。
『世紀末レッスン』は『週刊就職情報』連載コラムを完全収録しているわけではないことを「絓秀実書誌」によって教えられる。『世紀末レッスン』未収録の『週刊就職情報』連載コラムは、「絓秀実書誌」を参照すると、次の通りである。

  • 映画館のユートピア(『週刊就職情報』1984年5月24日号通巻408号)
  • 大魔人、草野球へ!?(『週刊就職情報』1984年7月5日号通巻414号)
  • 田中角栄社会主義者である(『週刊就職情報』1984年7月19日号通巻416号)
  • 無題(『週刊就職情報』1984年9月13日号通巻423号)
  • 無題(『週刊就職情報』1984年9月27日号通巻425号)
  • 猪木の時代は終った(『週刊就職情報』1984年10月18日号通巻428号)
  • 全共闘・センチメンタリズム(『週刊就職情報』1984年10月25日号通巻429号)
  • 年末=神々たちの集い(『週刊就職情報』1984年12月27日号通巻438号)
  • ゴジラとインテリ(『週刊就職情報』1985年1月24日号通巻441号)
  • 復活せよユーモア批評の粋(『週刊就職情報』1985年1月31日号通巻442号)
  • 髪型のメタファー(『週刊就職情報』1985年2月14日号通巻444号)
  • 「日・東・駒・専」とは何か?(『週刊就職情報』1985年4月11日号通巻452号)
  • 百ドルの民主主義(『週刊就職情報』1985年5月23日号通巻457号)
  • ヘーゲル大好き・松本伊代(『週刊就職情報』1985年5月30日号通巻458号)
  • 団地の盆踊りをセンメツせよ!(『週刊就職情報』1985年8月15・22日号通巻469号)
  • グルカ・ショーツは金粉ストリップ・ショーに通ずる(『週刊就職情報』1985年9月5日号通巻471号)
  • 防衛論争の八百長相撲をこえるためには(『週刊就職情報』1985年9月19日号通巻473号)
  • 日本文化の未来は東武東上線にある(『週刊就職情報』1985年9月26日号通巻474号)
  • 女性原理はエイズには勝てない(『週刊就職情報』1985年10月31日号通巻479号)
  • サラリーマンはなぜポルノ小説を読むのか(『週刊就職情報』1985年11月7日号通巻480号)
  • プリンスホテルのプリンス=トラキチの神的暴力(『週刊就職情報』1985年11月21日号通巻482号)
  • 恋愛によって愛人を打倒しよう(『週刊就職情報』1985年11月28日号通巻483号)
  • 三島の死より面白いパフォーマンスはあったか?(『週刊就職情報』1985年12月5日号通巻484号)
  • 文学はどのようにして延命するか?(『週刊就職情報』1985年12月12日号通巻485号)
  • 今に東京灰になる!?(『週刊就職情報』1985年12月26日号通巻487号)
  • コミック雑誌なんかいらない(『週刊就職情報』1986年1月23日号通巻490号)
  • (金)(ビ)のお嬢さま(『週刊就職情報』1986年3月27日号通巻499号)
  • ヌードのイデオロギー(『週刊就職情報』1986年5月15日号通巻506号)
  • 中曽根首相とダイアナフィーバー(『週刊就職情報』1986年6月5日号通巻509号)
  • 男性原理と女性原理の間(『週刊就職情報』1986年6月12日号通巻510号)
  • 田中角栄の呪い(『週刊就職情報』1986年6月19日号通巻511号)
  • ニューアカ以後の保守回帰(『週刊就職情報』1986年8月14・21日号通巻519号)
  • 恐怖の未来社会(『週刊就職情報』1986年11月13日号通巻531号)
  • 今年の十大ニュース(『週刊就職情報』1986年12月25日号通巻537号)
  • 日本映画のレトロ(『週刊就職情報』1987年1月15日号通巻539号)
  • 映画における亡命(『週刊就職情報』1987年2月26日号通巻545号)
  • B級プログラム・ピクチュアの復活(『週刊就職情報』1987年3月26日号通巻549号)

大魔人、草野球へ!?」、「「日・東・駒・専」とは何か?」、「(金)(ビ)のお嬢さま」の三篇は「絓秀実書誌」では「『世紀末レッスン』収録」と記されているけれど、本書にはそれぞれの表題に対応するコラムを見出すことができない。
「正月の神話学」(『週刊就職情報』1985年1月10日号)、「東京大学入学者速報」(『週刊就職情報』1986年4月17日号)、「日本人のアイデンティティを否定したモノ」(『週刊就職情報』1986年9月4日号)、「文学が今できること」(『週刊就職情報』1986年9月18日号)の四篇は「絓秀実書誌」では「『世紀末レッスン』収録」と記されていないけれど、それぞれ本書収録の「天皇制支配がもたらす正月のけだるさ」、「田舎の秀才はヒャクショーに徹しなさい」「東京を面白くする東南アジアからの「侵略者」」、「罪深き文学は重くて大き過ぎる」の原題であると推測できる。
本書には書き下ろしの「ファシズム・レトロ・ポストモダン」を除くと109篇収録されている。「絓秀実書誌」において「『世紀末レッスン』収録」と記されているのは108篇である。「大魔人、草野球へ!?」、「「日・東・駒・専」とは何か?」、「(金)(ビ)のお嬢さま」の三篇から「『世紀末レッスン』収録」を削除し、「正月の神話学」、「東京大学入学者速報」、「日本人のアイデンティティを否定したモノ」、「文学が今できること」の四篇に「『世紀末レッスン』収録」と書き加えれば、整合性が取れるのである。
本書収録の「わが子を犠牲にする現代のジェンナーたち」、「故郷に危機をもたらす帰省者たち」の初出年月日は不明であるけれども、「絓秀実書誌」では『週刊就職情報』1984年9月6日号、9月13日号、9月20日号、9月27日号掲載の「めためた風俗クリティーク」が無題になっており、その内の9月6日号、9月20日号が「『世紀末レッスン』収録」と記されているので、先の二篇に対応する初出年月日であると推測できる。


『世紀末レッスン』書評

*1:書き下ろし

*2:『週刊就職情報』1984年3月22日号

*3:『週刊就職情報』1984年4月12日号

*4:『週刊就職情報』1984年5月31日号

*5:『週刊就職情報』1984年6月9日号

*6:『週刊就職情報』1984年6月14日号

*7:早稲田文学1984年11月号

*8:『週刊就職情報』1984年7月26日号

*9:『週刊就職情報』1984年9月20日

*10:『週刊就職情報』1984年10月4日号

*11:『週刊就職情報』1984年11月8日号

*12:『週刊就職情報』1984年11月22日号

*13:『週刊就職情報』1984年12月6日号

*14:『週刊就職情報』1985年2月21日号

*15:『週刊就職情報』1985年3月7日号

*16:『すばる』1985年5月号

*17:『週刊就職情報』1985年3月21日号

*18:『週刊就職情報』1985年4月18日号

*19:『すばる』1985年6月号

*20:『週刊就職情報』1985年4月25日号

*21:『週刊就職情報』1985年5月2・9日号

*22:『週刊就職情報』1985年6月13日号

*23:『週刊就職情報』1985年6月20日

*24:『週刊就職情報』1985年6月27日号

*25:『週刊就職情報』1985年7月11日号

*26:『週刊就職情報』1985年8月1日号

*27:『週刊就職情報』1985年9月12日号

*28:『週刊就職情報』1985年10月3日号

*29:『週刊就職情報』1985年10月10日号

*30:『週刊就職情報』1985年10月24日号

*31:『週刊就職情報』1985年11月14日号

*32:『週刊就職情報』1986年2月27日号

*33:『週刊就職情報』1986年2月6日号

*34:『週刊就職情報』1986年2月13日号

*35:『週刊就職情報』1986年3月13日号

*36:『週刊就職情報』1986年3月6日号

*37:『週刊就職情報』1986年3月13日号

*38:『週刊就職情報』1986年4月10日号

*39:『週刊就職情報』1986年4月24日号

*40:『週刊就職情報』1986年5月8日号

*41:『週刊就職情報』1986年5月24日号

*42:『週刊就職情報』1986年5月29日号

*43:『週刊就職情報』1986年7月31日号

*44:『週刊就職情報』1986年9月11日号

*45:『週刊就職情報』1986年9月25日号

*46:『週刊就職情報』1986年10月2日号

*47:『週刊就職情報』1986年10月9日号

*48:『週刊就職情報』1986年10月16日号

*49:『週刊就職情報』1986年10月23日号

*50:『週刊就職情報』1986年11月6日号

*51:『週刊就職情報』1986年11月20日

*52:『週刊就職情報』1986年11月27日号

*53:『週刊就職情報』1986年12月11日号

*54:『週刊就職情報』1986年12月18日号

*55:ユリイカ1984年9月号

*56:『週刊就職情報』1984年3月29日号

*57:『週刊就職情報』1984年4月5日号

*58:『週刊就職情報』1984年4月19日号

*59:『週刊就職情報』1984年4月26日号

*60:『週刊就職情報』1984年5月3・10日号

*61:『週刊就職情報』1984年5月17日号

*62:『週刊就職情報』1984年6月21日号

*63:『週刊就職情報』1984年6月28日号

*64:『週刊就職情報』1984年7月12日号

*65:『週刊就職情報』1984年8月2日号

*66:『週刊就職情報』1984年8月9日号

*67:『週刊就職情報』1984年8月16・23日号

*68:『週刊就職情報』1984年8月30日号

*69:『週刊就職情報』1984年9月6日号

*70:『週刊就職情報』1984年10月11日号

*71:『週刊就職情報』1984年11月1日号

*72:『週刊就職情報』1984年11月15日号

*73:『週刊就職情報』1984年11月29日号

*74:『週刊就職情報』1984年12月13日号

*75:『週刊就職情報』1984年12月20日

*76:『週刊就職情報』1985年1月10日号

*77:『すばる』1985年3月号

*78:『週刊就職情報』1985年1月17日号

*79:『週刊就職情報』1985年2月7日号

*80:『週刊就職情報』1985年2月28日号

*81:『すばる』1985年4月号

*82:『週刊就職情報』1985年3月14日号

*83:『すばる』1985年2月号

*84:『週刊就職情報』1985年3月28日号

*85:『週刊就職情報』1985年4月4日号

*86:『週刊就職情報』1985年5月16日号

*87:『週刊就職情報』1985年6月6日号

*88:『週刊就職情報』1985年7月4日号

*89:『週刊就職情報』1985年7月25日号

*90:『週刊就職情報』1985年7月18日号

*91:『週刊就職情報』1985年8月8日号

*92:『週刊就職情報』1985年8月29日号

*93:『週刊就職情報』1985年10月17日号

*94:『週刊就職情報』1985年12月19日号

*95:『週刊就職情報』1986年2月20日

*96:『週刊就職情報』1986年1月30日号

*97:『週刊就職情報』1986年4月17日号

*98:『週刊就職情報』1986年5月1日号

*99:『週刊就職情報』1986年7月3日号

*100:『週刊就職情報』1986年7月10日号

*101:『週刊就職情報』1986年7月17日号

*102:『週刊就職情報』1986年7月24日号

*103:現代詩手帖』1986年9月号

*104:『週刊就職情報』1986年8月7日号

*105:『週刊就職情報』1986年8月28日号

*106:『週刊就職情報』1986年9月4日号

*107:『週刊就職情報』1986年9月18日号

*108:『週刊就職情報』1986年10月30日号

*109:『週刊就職情報』1986年12月4日号

*110:別冊宝島』52、1986年4月