坪内祐三/証言・あの日この日

1997年から1999年にかけて講談社より刊行された週刊YEAR BOOK『日録20世紀』の1997年2月18日発行通巻1号から1997年12月23日発行通巻42号まで、坪内祐三が各号に2篇ずつ全42回(全84篇)連載した「証言・あの日この日」は、著名人(主に著述家)の著作(主に日記)から証言を引いて若干の説明を加える短いコラム(1篇約355字)です。2005年から2006年にかけて毎日新聞に連載した「日記から」と同様、単行本には未収録です。1997年12月30日発行通巻43号以降の「証言・あの日この日」は山崎行太郎が執筆しています。坪内祐三が執筆した各回内容(証言者・当時の年齢・証言の日付・引用文献)は下記のごとくです。

日録20世紀 1923

週刊 日録20世紀1941昭和16年

週刊 日録20世紀 1942昭和17年

週刊 日録20世紀 1943昭和18年

  • 日夏耿之介(52)/2月5日(金)『聴雪廬日記鈔』
  • 清沢洌(53)/2月17日(水)『暗黒日記』

週刊 日録20世紀 1944昭和19年

日録20世紀 1945年

日録20世紀 1946

日録20世紀 1947年

  • 中井英夫(24)/2月27日(木)『続・黒鳥館戦後日記』
  • 石橋湛山(62)/5月8日(木)『湛山日記』

日録20世紀 1948年 [雑誌]

日録20世紀 1949年

  • 山下武(22)/1月20日(木)『青春読書日記1946─1949』
  • 北杜夫(21)/4月2日(土)『或る青春の日記』

日録20世紀 1950年

  • 会津八一(68)/1月19日(木)『会津八一全集』第十一巻
  • 青木正美(16)/4月27日(木)『青春さまよい日記』

日録20世紀 1951

日録20世紀 1952年

  • 丹羽文雄(47)/2月18日(月)「渋谷駅前の一週間」
  • 深代惇郎(23)/10月15日(水)『青春日記』

日録20世紀 1953年

日録20世紀 1954年

  • 室生犀星(64)/1月8日(金)『室生犀星全集』別巻2
  • 藤子不二夫(20)/6月29日(火)『二人で少年漫画ばかり描いてきた』

日録20世紀 1955年

  • 阿部昭(20)/4月20日(火)『緑の年の日記』
  • 片山敏彦(56)/10月23日(日)『片山敏彦著作集』第9巻

週刊 日録20世紀 1956昭和31年

  • 秋山駿(25)/2月20日(月)『地下室の手記
  • 山川均(75)/5月1日(火)『山川均全集』第19巻

日録20世紀 1957年

日録20世紀 1958年

  • 大岡昇平(48)/2月7日(金)『作家の日記』
  • 木山捷平(54)/6月19日(木)『酔いざめ日記』

週刊 日録20世紀 1959 世紀のご成婚 1997年2月18日号

週刊 日録20世紀 1960昭和35年

  • 蓮實重彥(24)/6月15日(水)「自筆年譜」
  • 谷東次郎(18)/7月27日(水)『オートバイと初恋と』

週刊 日録20世紀 1961昭和36年

  • 外村繁(58)/4月21日(金)『阿佐ケ谷日記』
  • 山下清(39)/6月9日(金)『ヨーロッパぶらりぶらり』

週刊 日録20世紀 1962昭和37年

週刊 日録20世紀 1963昭和38年

  • 開高健(32)/10月2日(水)『ずばり東京』
  • 野上彌生子(78)/11月2日(土)『野上彌生子日記』

日録20世紀 1964

週刊 日録20世紀 1965昭和40年

日録20世紀 1966年

週刊 日録20世紀 1967 公害列島ニッポン 1993年6月10日号

  • 五木寛之(34)/1月10日(火)『日記』
  • 矢部貞治(64)/2月11日(土)『矢部貞治日記』

日録20世紀 1968年

日録20世紀 1969年

  • 安藤鶴夫(60)/2月1日(土)『ごぶ・ゆるね』
  • 高橋和巳(37)/3月2日(日)『わが解体』

日録20世紀 1970年

日録20世紀 1971

日録20世紀 1972年

  • 石川達三(66)/1月28日(金)『流れゆく日々』
  • 山口瞳(46)/12月29日(金)『男性自身』

日録20世紀 1973年

日録20世紀 1974

日録20世紀 1975年

週刊 日録20世紀 1976昭和51年

日録20世紀 1977年

日録20世紀 1978年

  • 江藤淳(44)/4月9日(日)『再々こもんせんす』
  • 吉行淳之介(54)/12月22日(金)「一週間の記録」

日録20世紀 1979

  • 秋山さと子(56)/6月26日(火)『読書日録大全』
  • 村松友視(39)/8月26日(日)『私、プロレスの味方です』

週刊 日録20世紀 1980昭和55年

  • 松本清張(70)/3月16日(日)『清張日記』
  • 森茉莉(79)/8月26日(火)『ドッキリ・チャンネル』

日録20世紀 1989


坪内祐三福田和也が『昭和 二万日の全記録』について以下のように発言しているのを引き写しておきます。

平成と改まって早や十年。もうすぐ二十世紀も終ります。『昭和 二万日の全記録』全十九巻講談社『20世紀の歴史』全十九巻平凡社はどちらも、とても質の高いシリーズ物です。これを機に、一家に一セット揃えても損はありません。
坪内祐三/家でこもる人の本10冊(「週刊文春」1998年4月30日・5月7日号)❞

福田 やっぱり昭和はカラフルで、いろんなことがあったからね。特に戦前はすごかったから。講談社から出てる『昭和二万日の全記録』(昭和全2万2660日を、日録ドキュメント形式で記載している。全19巻)。なかなかいい本ですよ。今、全部で1万8000円くらいで安いでしょ。
坪内 あの本は最高ですよ。オレも若者に、買え買えって言ってる。編纂へんさんされたのは、昭和が終わったときでね。その後20世紀が終わるときには『週刊20世紀』とか、いろんな似たような企画本が出たんだけど、全然クオリティが違うんだよ。本当にすごいよ、と20年くらい前から言ってるんだけど、誰も聞いてくれなくてさ。
❝文壇アウトローズの世相放談「これでいいのだ!」VOL.320/平成も20年を超え、心配なのは天皇・皇后両陛下の健康問題だ(「SPA!」2008年12月30日・2009年1月6日号、『無礼講──酒気帯び時評55選』)❞

坪内 何かが終わって、何かが始まった年なんだよ。昭和が終わったときに、講談社から出た『昭和二万日の全記録』全19巻ってあるでしょう。暇な時にずっとあれを眺めていて、1972年ってコンクな年だな、と思ったのが、この年に注目したきっかけなんだけどね。
福田 『昭和二万日の全記録』はすごくいいよね。
坪内 図版もあって資料的価値が高いでしょ。しかも古本で1冊500円ぐらいだよ。
福田 ワタクシも、学生に「全部買え、見つけ次第すぐ買え」と言ってるよ。
❝文壇アウトローズの世相放談「これでいいのだ!」VOL.464/「あれから1年」もたつけれど「あれから40年」も結構すごい(「SPA!」2012年3月20日号、『不謹慎──酒気帯び時評50選』)❞

*1:田久保英夫は1928年1月生れであるから正しくは(37)