絓秀実「ポストポリティクスのなかの政治」

絓秀実は雑誌『発言者』で三度連載を行った。最初が「教育批判論序説」全12回(1996年7月号〜1997年6月号)であり、この連載はすべて『大衆教育社会批判序説』に収録されている。次が「全共闘という愚行」全25回である。最後が下記の「ポストポリティクスのなかの政治」全25回である。「ポストポリティクスのなかの政治」のうち8回分が『JUNKの逆襲』に収録されているが、それ以外の17回分は単行本未収録である。

(1)グローバル資本主義と政治*1

  • 亡霊の帰還
  • テロリズムからミクロポリティクスへ
  • 「衣食足りて礼節を知る」?
  • 隠蔽された普遍性

(2)コンピュータ神学と「手書き」*2

  • 「漢字を救え!」キャンペーン
  • 固有名のロゴ化
  • 文藝=協会
  • ワープロVS原稿用紙?

(3)神の国」における民主的統治形態*3

(4)この国の「体」と「かたち」*4

  • 最悪のPC的言い換え
  • 「不死の身体」としての国家
  • 教育政策の焦点化
  • 愚民化政策の意図

(5)棄民化する「民族」と「市民」*5

(6)戦後天皇制と今日の「左翼」*6

(7)教育問題の社会経済的基礎*7

(8)政治における大衆のリビドー*8

(9)「言語論的転回」の一帰結*9

(10)「脱出先」はあるか──ほとんど初夢風の悪夢*10

(11)「資本の文明化作用」の失効*11

(12)フォルマリズム型政治の終焉*12

  • 「政治不信」と信頼の回復
  • 危機管理と国民感情
  • いかなる「反米」か
  • 隠喩としての事件

(13)デフレへの危機管理は可能か?*13

(14)民主主義はファシズムに対抗しうるか*14

(15)理性的科学主義とナショナリズム*15

(16)国民の「俗情」は「痛み」を回避する*16

  • 「痛み」とその共有
  • 控訴断念の「痛み」
  • ハンセン病患者の「痛み」
  • 「痛み」を免責される「国民」

(17)資本主義に対抗する国家*17

(18)資本主義と「自由の幻想」*18

(19)ランボー VS ビンラディンは可能か*19

(20)宗教的全知と戦争機械*20

  • 宗教的全知と近代理性
  • 近代理性の亀裂
  • 国家理性の亀裂
  • 国家に対抗する戦争

(21)書物=文化の「崩落」*21

  • 書物の終焉?
  • 岩波文化による国民形成
  • 全集と文庫
  • 資本主義と書籍

(22)構造改革」イメージの歴史的変遷*22

(23)「監視/管理」型社会のNGO運動*23

  • 膨大なアンダークラス予備軍
  • 自治」の終焉
  • 大学内の階級対立
  • 「親」政府的と「反」政府的
  • 反システム運動としてのNGO

(24)地方市民を挑発しつつ解体=構築すること*24

  • 先験的な故郷喪失とは?
  • 地方市民は何を望んでいるか?
  • バブル的福祉主義の継続
  • 新たなコミュニティーは可能か?

(25)かくも市民的な表現、かくも猥褻なメディア*25

  • 公民権運動の帰趨
  • 報酬配分問題の排除
  • インターネット・メディアでの「表現」
  • 市民的理性の裏面

*1:『発言者』2000年5月号,pp.112-117

*2:『発言者』2000年6月号,pp.68-73

*3:『発言者』2000年7月号,pp.88-93 『JUNKの逆襲』収録

*4:『発言者』2000年8月号,pp.54-59

*5:『発言者』2000年9月号,pp.84-89

*6:『発言者』2000年10月号,pp.124-129

*7:『発言者』2000年11月号,pp.64-69 『JUNKの逆襲』収録

*8:『発言者』2000年12月号,pp.62-67

*9:『発言者』2001年1月号,pp.96-97

*10:『発言者』2001年2月号,pp.112-117

*11:『発言者』2001年3月号,pp.56-61 『JUNKの逆襲』収録

*12:『発言者』2001年4月号,pp.112-117

*13:『発言者』2001年5月号,pp.60-65 『JUNKの逆襲』収録

*14:『発言者』2001年6月号,pp.72-77

*15:『発言者』2001年7月号,pp.50-55

*16:『発言者』2001年8月号,pp.62-67 『JUNKの逆襲』収録

*17:『発言者』2001年9月号,pp.52-57

*18:『発言者』2001年10月号,pp.54-59 『JUNKの逆襲』収録

*19:『発言者』2001年11月号,pp.42-47 『JUNKの逆襲』収録

*20:『発言者』2002年1月号,pp.48-53

*21:『発言者』2002年2月号,pp.114-119

*22:『発言者』2002年3月号,pp.54-59

*23:『発言者』2002年4月号,pp.54-59 『JUNKの逆襲』収録

*24:『発言者』2002年5月号,pp.32-37

*25:『発言者』2002年8月号,pp.72-77