『週刊文春』連載
- 001(10.01.14)/軍事的スペクタクルに満ちた怪作戦争映画──『トランスフォーマー リベンジ』
- 002(10.01.21)/ゲーリングの反問で浮かび上る勝者の倫理性──『ニュールンベルグ軍事裁判 ヒトラー第三帝国最後の審判』
- 003(10.01.28)/落ちぶれた奇術師を通して次世代に伝えるメッセージ──『ザッツ★マジックアワー ダメ男ハワードのステキな人生』
- 004(10.02.04)/プロレスのもつ本質的な「逆説」を見事に描く──『レスラー』
- 005(10.02.11)/昭和の影を色濃くまとった実録やくざ映画末期の傑作──『やくざの墓場 くちなしの花』
- 006(10.02.18)/続編ファンとして嫌いになれない怪作第二弾──『アドレナリン2 ハイ・ボルテージ』
- 007(10.02.25)/聖人フランチェスコの生々しい葛藤──『フランチェスコ』ノーカット完全版
- 008(10.03.04)/名優ジョージ・C・スコットの抑制の効いた演技──『ヒンデンブルグ』
- 009(10.03.11)/生命倫理上の課題とその先にある困難な運命──『私の中のあなた』
- 010(10.03.18)/他人事ではない大衆民主主義の悪循環──『チョイス!』
- 011(10.03.25)/大自動車メーカーとの闘争を通じて描かれるアメリカ市民の心性──『幸せのきずな』
- 012(10.04.01)/遅咲きのニーソンが魅せる夫婦関係の妙──『アザーマン ─もう一人の男─』
- 013(10.04.08)/タイムトラヴェルを仕掛けとする愛の物語──『きみがぼくを見つけた日』
- 014(10.04.15)/七〇年代前半のアメリカの若者が抱えた陰鬱──『ペーパーチェイス』
- 015(10.04.22)/不可解極まりないボストン絞殺魔事件──『絞殺魔』
- 016(10.04.29)/人は徴集を前にして、何を想うか──『デイ・ゼロ』
- 017(10.05.06-13)/エイリアン・アブダクションと催眠療法──『フォース・カインド』
- 018(10.05.20)/「科学性」と「視覚の暴力」──『血を吸うカメラ』
- 019(10.05.27)/現代においてファシズムは可能か?──『ウェイヴ』
- 020(10.06.03)/物語の多層的構成を可能にしたPOVの発展──『REC/レック2』
- 021(10.06.10)/怖い女と愚かな男──『蜘蛛女』
- 022(10.06.17)/女性の自己実現の現在形──『ジュリー&ジュリア』
- 023(10.06.24)/運命を分かつもの──『オックスフォード連続殺人』
- 024(10.07.01)/コミュニティと正義──『正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官』
- 025(10.07.08)/狂気や怨恨よりも恐ろしいもの──『ザ・テロリスト』
- 026(10.07.15)/二人の偉才とモダニズム──『シャネル&ストラヴィンスキー』
- 027(10.07.22)/レジスタンスの葛藤──『誰がため』
- 028(10.07.29)/死者の視点から描く被害者遺族のその後──『ラブリーボーン』
- 029(10.08.05)/監獄映画の新たな傑作──『プリズン211』
- 030(10.08.12-19)/疑念を超えて迫る感動──『しあわせの隠れ場所』
- 031(10.08.26)/ホロコーストの悲劇を伝える衝撃作──『ホロコースト 戦争と家族』
- 032(10.09.02)/ナショナリズムの効用とマンデラの政治的老練さ──『インビクタス/負けざる者たち』
- 033(10.09.09)/コピーロボットの自我と実存的な絶望──『月に囚われた男』
- 034(10.09.16)/ホモ・モーヴェンスの行き着く先──『マイレージ、マイライフ』
- 035(10.09.23)/極左テロ集団の「神聖なる自己表現」──『バーダー・マインホフ 理想の果てに』
- 036(10.09.30)/誰がために命をかけるのか──『ハート・ロッカー』
- 037(10.10.07)/沢木耕太郎との時間を超えた対話──『人の砂漠』
- 038(10.10.14)/なぜガブリエルは邪悪に描かれるのか──『レギオン』
- 039(10.10.21)/ディカプリオのはまり役──『シャッター アイランド』
- 040(10.10.28)/異形のファムファタール──『セクシー・キラー リベンジ・オブ・ザ・デッド』
- 041(10.11.04)/イデオロギーの醜悪な帰結──『サバイバル・オブ・ザ・デッド』
- 042(10.11.11)/アメリカン・ニューシネマの「暗さ」──『ダーティ・メリー クレイジー・ラリー』(コレクターズ・エディション)
- 043(10.11.18)/破局後の世界と書物──『ザ・ウォーカー』
- 044(10.11.25)/日米の検察制度の違いと証拠捏造──『ダウト 〜偽りの代償〜』
- 045(10.12.02)/多重人格障害をめぐって──『シェルター』
- 046(10.12.09)/チャイコフスキーとユダヤ問題──『オーケストラ!』(スペシャル・エディション)
- 047(10.12.16)/近未来のシャイロック──『レポゼッション・メン』
- 048(10.12.23)/Jホラーにおける不条理とメタ構造──『女優霊』
- 049(10.12.30-11.01.06)/裏切り者は誰か──『トレイター 大国の敵』
- 050(11.01.13)/尽きない夢の謎──『インセプション』
- 051(11.01.20)/「実録大作」から窺える戦後史の裏側──『日本の
黒幕 』- 052(11.01.27)/内幕ものの系譜──『トラブル・イン・ハリウッド』
- 053(11.02.03)/究極の主観視点映像──『エンター・ザ・ボイド』
- 054(11.02.10)/奇怪な超能力部隊──『ヤギと男と男と壁と』
- 055(11.02.17)/死者の目に葬儀屋はどう映るか──『アフターライフ』
- 056(11.02.24)/『告白』が描く道徳の彼岸──『告白』
- 057(11.03.03)/宗教大国アメリカの実態──『ジーザス・キャンプ 〜アメリカを動かすキリスト教原理主義〜』
- 058(11.03.10)/宇宙船内ホラーというジャンル──『パンドラム』
- 059(11.03.17)/大人の「自分探し」は日本固有の現象か?──『食べて、祈って、恋をして』
- 060(11.03.24)/モード界と映画の魔力──『シングルマン』
- 061(11.03.31)/ワイダが描く神話化されない政治──『アンジェイ・ワイダ DVD-BOX 1』
- 062(11.04.07)/少女の過剰な暴力──『キック・アス』
- 063(11.04.14)/暗殺者の心情とテロルの本質──『日本暗殺秘録』
- 064(11.04.21)/私の「トラウマ映画」──『恐怖のいけにえ』
- 065(11.04.28)/言葉と声をめぐる異色ゾンビ映画──『ON AIR オンエア 脳・内・感・染』
- 066(11.05.05-12)/最良質のB級映画──『GAMER ゲーマー』
- 067(11.05.19)/研修医たちの禁断のゲーム──『ドクターズ・ハイ』
- 068(11.05.26)/巨大な危機に人は何をなすべきか──『アンストッパブル』
- 069(11.06.02)/米ドラマにおける原発事故対応──『ザ・ホワイトハウス(セブンス・シーズン)』
- 070(11.06.09)/反エイジズムの潮流──『RED/レッド』
- 071(11.06.16)/IT業界の内幕と当世風の青春──『ソーシャル・ネットワーク』
- 072(11.06.23)/進化するヴァンパイア映画──『デイブレイカー』
- 073(11.06.30)/環境で人格は容易く変わるか──『エクスペリメント』
- 074(11.07.07)/強欲資本主義のその後──『ウォール・ストリート』
- 075(11.07.14)/自然という脅威──『ロスト・ウィークエンド』
- 076(11.07.21)/法の「正義」とは何か──『完全なる報復』
- 077(11.07.28)/超正統派ユダヤ人の姿──『バッド・トリップ 100万個のエクスタシーを密輸した男』
- 078(11.08.04)/名作揃いのアパルトヘイト映画──『エンドゲーム』
- 079(11.08.11-18)/究極のトリアージ──『戦場カメラマン 真実の証明』
- 080(11.08.25)/敵の描き方と戦争映画──『ザ・パシフィック』
- 081(11.09.01)/小松左京とSFホラー──『リセット』
- 082(11.09.08)/逆転するピグマリオン──『恋とニュースのつくり方』
- 083(11.09.15)/悪魔祓いと現代の信仰──『ザ・ライト[エクソシストの真実]』
- 084(11.09.22)/東京裁判を描いた問題作──『プライド 運命の
瞬間 』- 085(11.09.29)/これは革命ではない──『SP 革命篇』
- 086(11.10.06)/殺人者と孤独な少女──『チェイシング/追跡』
- 087(11.10.13)/奇人ハワード・ヒューズ──『ザ・ホークス ハワード・ヒューズを売った男』
- 088(11.10.20)/キャスティングの妙──『キラー・インサイド・ミー』
- 089(11.10.27)/術中覚醒の恐怖──『アウェイク』
- 090(11.11.03)/最高の天使の物語──『メタルヘッド』
- 091(11.11.10)/マイノリティ、生命倫理、キューバ危機──『X-MEN ファースト・ジェネレーション』
- 092(11.11.17)/人生の手回り品──『ラヴ・クライム』
- 093(11.11.24)/アイデンティティの脆さ──『アンノウン』
- 094(11.12.01)/四十年間の米社会の変化──『12人の怒れる男/評決の行方』
- 095(11.12.08)/賭博映画の極北──『ロシアン・ルーレット』
- 096(11.12.15)/法廷劇と女の人生──『グッド・ワイフ 彼女の評決 シーズン 1』
- 097(11.12.22)/神のような悪魔──『デビル』
- 098(11.12.29)/反原発映画の嚆矢──『原子力戦争 Lost Love』
- 099(12.01.05-12)/「任俠映画の父」──『修羅の伝説』
- 100(12.01.19)/米国内市街戦への想像力──『トランスフォーマー ダークサイド・ムーン』
宮崎哲弥は「私は「お芸術してる」映画が大嫌いで、基本的に娯楽ものしか観ない。
オールタイムベスト50作品(『映画365本』)
- 『夜の大捜査線』(1967年、ノーマン・ジュイソン)
- 『暴力脱獄』(1967年、スチュアート・ローゼンバーグ)
- 『激突!』(1971年、スティーヴン・スピルバーグ)
- 『時計じかけのオレンジ』(1971年、スタンリー・キューブリック)
- 『カンバセーション···盗聴···』(1973年、フランシス・フォード・コッポラ)
- 『ファントム・オブ・パラダイス』(1974年、ブライアン・デ・パルマ)
- 『ゴッドファーザーPARTⅡ』(1974年、フランシス・フォード・コッポラ)
- 『ジャガーノート』(英 1974年、リチャード・レスター)
- 『サブウェイ・パニック』(1974年、ジョセフ・サージェント)
- 『バリー・リンドン』(英 1975年、スタンリー・キューブリック)
- 『ネットワーク』(1976年、シドニー・ルメット)
- 『要塞警察』(1976年、ジョン・カーペンター)
- 『グッバイガール』(1977年、ハーバート・ロス)
- 『ザ・ドライバー』(1978年、ウォルター・ヒル)
- 『アルタード・ステーツ/未知への挑戦』(1979年、ケン・ラッセル)
- 『地獄の黙示録』(1979年、フランシス・フォード・コッポラ)
- 『殺しのドレス』(1980年、ブライアン・デ・パルマ)
- 『シャイニング』(1980年、スタンリー・キューブリック)
- 『ブルース・ブラザース』(1980年、ジョン・ランディス)
- 『ポルターガイスト』(1982年、トビー・フーパー)
- 『キング・オブ・コメディ』(1983年、マーティン・スコセッシ)
- 『アマデウス』(1984年、ミロス・フォアマン)
- 『アフター・アワーズ』(1985年、マーティン・スコセッシ)
- 『ランページ/裁かれた狂気』(1988年、ウィリアム・フリードキン)
- 『トーク・レディオ』(1988年、オリバー・ストーン)
- 『恋人たちの予感』(1989年、ロブ・ライナー)
- 『羊たちの沈黙』(1990年、ジョナサン・デミ)
- 『エクソシスト3』(1990年、ウィリアム・ピーター・ブラッティ)
- 『カジノ』(1995年、マーティン・スコセッシ)
- 『セブン』(1995年、デヴィッド・フィンチャー)
- 『アミスタッド』(1997年、スティーヴン・スピルバーグ)
- 『ガタカ』(1997年、アンドリュー・ニコル)
- 『π』(1997年、ダーレン・アロノフスキー)
- 『イベント・ホライゾン』(1997年、ポール・W・S・アンダーソン)
- 『ベイブ/都会へ行く』(1998年、ジョージ・ミラー)
- 『ノッティングヒルの恋人』(1999年、ロジャー・ミッシェル)
- 『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』(1999年、エドゥアルド・サンチェス/ダニエル・マイリック)
- 『アメリカン・サイコ』(2000年、メアリー・ハロン)
- 『天使のくれた時間』(2000年、ブレット・ラトナー)
- 『シックス・デイ』(2000年、ロジャー・スポティスウッド)
- 『フォーン・ブース』(2002年、ジョエル・シュマッカー)
- 『スターシップ・トゥルーパーズ2』(2003年、フィル・ティペット)
- 『ニュースの天才』(2003年、ビリー・レイ)
- 『Jの悲劇』(英 2004年、ロジャー・ミッシェル)
- 『記憶の棘』(2004年、ジョナサン・グレイザー)
- 『ファイナル・カット』(2004年、オマー・ナイーム)
- 『キングダム・オブ・ヘブン』(2005年、リドリー・スコット)
- 『ステイ』(2005年、マーク・フォースター)
- 『パフューム ある人殺しの物語』(2006年、トム・ティクヴァ)
- 『ダークナイト』(2008年、クリストファー・ノーラン)