呉智英「ネットのバカ 現実のバカ」

週刊ポスト』誌上の「ネットのバカ 現実リアルのバカ」は呉智英中川淳一郎による交互リレー連載で、呉智英の連載が「現実リアルのバカ」、中川淳一郎の連載が「ネットのバカ」ということのようである。2016年2月5日号に呉智英中川淳一郎の「新連載記念対談 「いま一番のバカを決めよう!」」*1が掲載されており、2018年9月21・28日号に同じく対談「安倍好きのバカvs安倍ぎらいのバカ」*2が掲載されている。2017年12月8日号には、「現実リアルのバカ」を休載して、「〈真実の名古屋論〉 タモリも『週刊ポスト』も毒された「名古屋ぎらい」の正体」*3が掲載されている。これは『真実の名古屋論 トンデモ名古屋論を撃つ』が2017年11月にベスト新書から再刊されたことを記念してのようである。2018年9月7日号の「現実リアルのバカ」が特別拡大版であるのは、この連載の第100回までをまとめて各回に補論を付した『日本衆愚社会』(小学館新書)の刊行を記念してのようである。その後、連載の第102回から最終回までをまとめて各回に補論を付した『バカに唾をかけろ』(小学館新書)が刊行されている。

小谷野敦が「凍雲篩雪(80)『黒い雨』と『重松日記』」(『出版ニュース』2018年9月下旬号)で次のように書いていた。

 世間では私は呉智英の影響を受けた者のように思われているようだが、確かに若いころに心酔したようなところはあったが、佐々木譲の『警官の血』に珍妙ないちゃもんをつけたあたりから、呉智英はおかしくなっているし、政治的立場は何だか曖昧だし、単なる言葉の間違いをあげつらうだけの人になっていると思う。

かつて、小谷野敦は『バカのための読書術』で呉智英の著書を薦めていて、双葉文庫に10冊以上入っていたが、現在では全て長期品切れないし絶版になっているようである。