(19)同時代も歴史である 一九七九年問題

同時代も歴史である 一九七九年問題 (文春新書)

  • 坪内祐三同時代どうじだい歴史れきしである 一九七九年問題』、文藝春秋〔文春新書507〕、2006年(平成18年)5月20日第1刷発行

「まえがき」に代えて


一九八四年の「アンティゴネ」と二〇〇三年の「アンティゴネ*1

  • オーウェル『一九八四』の年に
  • 神々の法に従う「善き個人」と国の法に従う「善き市民」
  • 「自由」と「保守」が込められたヘルダーリンの「祖国」
  • 「ある特定の徳」と「愛の生ける徳」
  • 知識や考察から来る「予想」を超えて
  • すべてが振り出しに戻った

戦時の「傷」は暴かれるのを待っている*2

今さらネオコンだなんて──ネオコンの祖ノーマン・ポドレッツの転変*3

  • 新保守主義のはじまった一九七二年
  • サブカル的感性
  • 「ニューヨーク知識人」に成り上がる
  • 一九六〇年のラディカルが、タカ派の論客に
  • 「内なるアメリカ」の発見
  • 『コメンタリー』編集長となる
  • イデオロギーよりも「野心」
  • 知識人が権力と関係を持てる
  • 遅れて来た青年期

「一九六八年」を担ったのは誰だったか?*4

山本夏彦の「ホルモン、ホルモン」*5

  • 思っていた通りの怪物である
  • 重要な事柄をさりげなく口にする「夏彦節」
  • 美しく、生々しい、見事な恋愛小説
  • なぜ『年を歴た鰐の話』再刊を拒否したか
  • 「ホルモン」に悩まされる若い日の日記
  • 山本伊吾はそのような修正を加えない

いま何故、四十年前の洗脳テロリスト物語か?*6

イラク派遣「人間不在の防衛論議」ふたたび*7

  • ブッシュの特殊なキリスト教
  • 日本の「カミ」は追放された
  • ハイネが予言したナチズム
  • 今時の﹅﹅﹅反米主義者が嫌いだ
  • この国の「カミ」はまだ死にはしない

軽いライトな帝国」が行使する「まだましな悪」*8

  • I・バーリンの伝記を書いた人物
  • 日本にはいないアカデミック・ジャーナリスト
  • 二十一世紀型の「戦争」が始まった
  • 瓦礫の街を歩きながらの対話
  • 「国家建設というかたちの帝国による指導」
  • 「積極的」自由は独裁制に陥りかねない

一九七九年春、その時に「歴史」は動いていた*9

  • 人力車夫とイラン革命
  • 共産主義的人間』の中のチェチェン
  • 河上徹太郎じわじわ﹅﹅﹅﹅ときいてくる強さ
  • 一九七九年に、歴史への参加とは
  • 「ジハード」が始まった日附け
  • 固有の「歴史」も失ないつつあった日本人


初出一覧

*1:「諸君!」二〇〇三年六月号

*2:「諸君!」二〇〇三年七月号

*3:「諸君!」二〇〇三年九月号

*4:「諸君!」二〇〇三年十月号

*5:「諸君!」二〇〇三年十二月号

*6:「諸君!」二〇〇四年二月号

*7:「諸君!」二〇〇四年四月号

*8:「諸君!」二〇〇四年八月号

*9:「諸君!」二〇〇四年十一月号