第1章 戦後論壇の巨人たち
この章について
福田恆存──「保守反動」と呼ばれた正論家*1
田中美知太郎──歴史の真実を語ろうとした人*2
小林秀雄──ものそのものと出会う*3
林達夫──「書かない人」になったわけ*4
大宅壮一──彼が「無思想人」を宣言した時*5
三島由紀夫──「文化防衞論」という一つの謎*6
小泉信三──フェアプレー精神について*7
花田清輝──元祖「楕円的思考」の人*8
唐木順三──型の喪失とそれに代るもの*9
竹山道雄──ひっそりとした情熱家*10
中野好夫──頑固なお調子者*11
橋川文三──後ろを見つめたまま前へ進む*12
河上徹太郎──懐しさの由来する所*13
中野重治──皮膚感覚と正確さ*14
鮎川信夫──単独者の思想*15
竹内好間──違え方において正直な人*16
桑原武夫──モラリストの二重性*17
宮崎市定──現実を眺める歴史家の眼差し*18
葦津珍彦──筋の通った人*19
清水幾太郎──その独特の語りかけ*20
羽仁五郎──「子供みたい」は最高のほめ言葉*21
臼井吉見──編集者ならではのバランス感覚*22
山本七平──岡チャンの愛読書*23
丸山眞男──「孤独」な「進歩派」の「自己内対話」*24
第2章 文藝春秋をつくった人びと
この章について
菊池寛──「非凡の人」の新しさ*25佐々木茂索──文春を救った人*26
- 菊池寛との違い
- 「まだこゝでは述べたくない」
- 新進作家としての芥川に兄事
- 編集室の空気が一変
- なぜ筆を折ったのか
第3章 滝田樗陰のいた時代
この章について
サヨナラ「中央公論」*28
- リアルな噂
- 「中央公論」を手にとるとき
- 名編集者・滝田樗陰
- 豪華な連載陣
- 時代を彩る編集者たち
- 思いがけない一本の電話
滝田樗陰──大正のスーパー・エディター*30
第4章 ラディカル・マイノリティの系譜
この章について
アメリカと「左翼」の照応*31
エリアー・カザン──裏切り者と呼ばれて*32
ドワイト・マクドナルド──コンサヴァティブなアナキスト*33
スーザン・ソンタグ──ラディカルな意志のスタイル*34
ハンター・トンプソン──ラディカル左翼な「ならず者 」*35
鶴見俊輔氏に聞く──アメリカ左翼知識人の孤独でフェアな表象*36
- 右と左のイデオロギーより隠れてほの見える「身振り」を
- キリスト教と共産主義の矛盾。さらに深くある苦しみ
- 「リベラル」をめぐる日米土壌のずれ。態度の相違
- 「左翼」を超えて依拠すべきもの。米国に収斂される日本
第5章 「戦後」の終わり
文春的なものと朝日的なもの*37
- 文春と朝日の対立構造
- ユーモアのなくなった保守派
- 一九七七年東大発表特集号
- もう一人の「あの人」
- 『諸君!』が変わった後
「戦後八十年」はないだろう*38
歴史の物差しのひとつとして*39
- 戦後二十年のころ
- 七〇年代の空気
- 一九七九年というポイント
- 二十年周期で変わる東京
- 戦後五十年と七十年の違い
- 後づけの解釈を回避せよ
あとがき
初出一覧
関連年表
索引
- 人名索引
- 作品名索引
- 紙誌名索引
- 事項索引
*1:『諸君!』一九九六年七月号
*2:『諸君!』一九九六年八月号
*3:『諸君!』一九九六年九月号
*4:『諸君!』一九九六年十月号
*5:『諸君!』一九九六年十一月号
*6:『諸君!』一九九六年十二月号
*7:『諸君!』一九九七年一月号
*8:『諸君!』一九九七年二月号
*9:『諸君!』一九九七年三月号
*10:『諸君!』一九九七年四月号
*11:『諸君!』一九九七年五月号
*12:『諸君!』一九九七年六月号
*13:『諸君!』一九九七年七月号
*14:『諸君!』一九九七年八月号
*15:『諸君!』一九九七年九月号
*16:『諸君!』一九九七年十月号
*17:『諸君!』一九九七年十一月号
*18:『諸君!』一九九七年十二月号
*19:『諸君!』一九九八年一月号
*20:『諸君!』一九九八年二月号
*21:『諸君!』一九九八年三月号
*22:『諸君!』一九九八年四月号
*23:『諸君!』一九九八年五月号
*24:『諸君!』一九九八年六月号
*28:(「ぐあんばれ『中央公論』」改題)=『諸君!』一九九七年七月号
*30:夏の文学教室(二〇一七年八月一日)での講演に加筆修正
*39:(「戦後八十年はもうないかもしれない──歴史の物差しのひとつとして」改題/インタビュー構成・橋本倫史)=『en-taxi』二〇一五年七月