(50)みんなみんな逝ってしまった、けれど文学は死なない。

みんなみんな逝ってしまった、けれど文学は死なない。

  • 坪内祐三『みんなみんなってしまった、けれど文学ぶんがくなない。』、幻戯書房、二〇二〇年七月十五日第一刷発行
    装丁 細野綾子

第1章 文壇おくりびと
福田恆存──嫉妬心がない保守思想家*1
梅棹忠夫山口昌男が鰻を食べた一九八八年春*2
山口昌男──「知の速射砲」を浴びせた恩師*3
常盤新平さんありがとうございました*4
私は安岡章太郎の影響を受けているかもしれない*5
「町の普通のそば屋」と秋山駿さん*6
大西巨人さんの眼*7
野坂昭如は倒れた時も凄い現役作家だった*8
マイ・バッド・カンパニー


第2章 追悼の文学史
小林秀雄は死ぬまで現役だった*12
正宗白鳥

第三の新人」としての長谷川四郎*15
『群像』で辿る〈追悼〉の文学史*16

  • 初の追悼特集まで
  • 二人の大物作家
  • 「戦後文学」の終わり
  • 第三の新人」と追悼特集
  • 文学者が死ぬタイミング

十返肇は文壇の淀川長治だった*17


第3章 福田章二と庄司薫
福田章二論

庄司薫『ぼくの大好きな青髭*21


第4章 雑誌好き
文藝春秋』新年号に時代を読む*22

  • 文藝春秋』の周年号
  • 総合誌と時代の風──昭和八年一月号
  • 「多くの障害や困難」──昭和十八年一月号
  • 文藝春秋祭」のルポ──昭和二十八年一月号
  • 五輪・官僚批判・都知事──昭和三十八年一月号
  • 佐藤栄作の長髪──昭和四十八年一月号
  • 「風見鶏」の見ていたもの──昭和五十八年一月号
  • 平成の「顔」たち──平成五年一月号
  • 再び迎えた「正念場」──平成十五年一月号

ミニコミと雑誌の黄金時代*23

今こそ『新潮60』の創刊を*24

  • 「気分」は暴発する
  • 齋藤十一が「俺にやらせろ」
  • 雑誌の消滅は言葉の危機
  • 「一枚岩」の危険性
  • 六十歳向けの雑誌を


第5章 記憶の書店、記憶の本棚
本の恩師たち*25

  • 本の読みかたを教えてくれた人たち
  • 『本の神話学』・『紙つぶて』・『書物漫遊記』
  • 知のバトンを

神田神保町「坪内コーナー」の思い出*26

  • 二極化する本の世界
  • 一九八〇年前後の「ありきたりの棚」を再現
  • 難しいけれど楽しい、値付けと仕入れ作業
  • 古本屋の棚作りのコツ

高原書店からブックオフへ、または「せどり」の変容*27

  • せどり」今昔
  • 棚の再現の難しさ
  • 値崩れする古本
  • 山口昌男さんとの出会い
  • 「忍者部隊高原」の台頭

本は売れないのではなく買えないのだ*28

  • 「本屋ハシゴ」の時代
  • 「出版大不況」の中の増刷
  • 今や、本が買えない


第6章  「東京」という空間
田中角栄と高層ビル、高速道路、そして新幹線*29

  • パラダイム・チェンジの象徴
  • 熱気とどんよりに吹いた「新しい風」
  • 何だかとてもわくわくした
  • 今、この少しの寂しさはなんだろう

九段坂*30

  • 山の手と下町を分けるシンボリックな坂
  • 明治大正文学と九段坂
  • どこかに眠る宝の山

歌舞伎座にはもう足を運ばないだろう*31
荷風の浅草、私の浅草*32


第7章 「平成」の終り
借金をするなという父の教え*33
文学賞のパーティーが「薄く」なった理由*34

厄年にサイボーグになってしまった私*35

「第二の玉音放送」の年「中年御三家」が世を去った*36

  • いよいよ遠い昭和
  • 「中年御三家」の登場
  • リトル・マガジンの時代
  • 「たくましい老人、ジジイ」になってやろう

平成三十年に私は還暦を迎えた*37

  • 長い「高等遊民」時代
  • 十年同日
  • 老いるわけにはいかない
  • 平成という時代


東京タワーなら倒れたぜ──『みんなみんな逝ってしまった、けれど文学は死なない。』跋 平山周吉(雑文家)
関連年表(幻戯書房編集部)
坪内祐三著作一覧(二〇二〇年六月現在)
索引

*1:文藝春秋 二〇〇八・九

*2:考える人 二〇一一・夏

*3:産経新聞 二〇一三・三・十四

*4:四季の味 二〇一三・春

*5:群像 二〇一三・四

*6:群像 二〇一三・十二

*7:群像 二〇一四・五

*8:熱風 二〇一六・二

*9:出版人・広告人 二〇一六・十一

*10:出版人・広告人 二〇一六・十二

*11:出版人・広告人 二〇一七・一

*12:文藝春秋 二〇一三・九

*13:『白鳥随筆』講談社文芸文庫 二〇一五

*14:『白鳥評論』講談社文芸文庫 二〇一五

*15:三田文学 二〇一四・夏

*16:群像 二〇一六・十

*17:『「文壇」の崩壊』講談社文芸文庫 二〇一六

*18:新潮 二〇〇四・十一

*19:新潮 二〇〇四・十二

*20:新潮 二〇〇五・三

*21:『ぼくの大好きな青髭新潮文庫 二〇一二・六

*22:文藝春秋 二〇一二・二

*23:新潮45 二〇一二・五

*24:Hanada 二〇一八・十二

*25:二〇〇八年十一月二日於東京堂書店本店/彷書月刊 二〇〇八・十二

*26:kotoba 二〇一三・春

*27:新潮45 二〇一五・七

*28:新潮45 二〇一七・七

*29:調査情報 二〇一〇・五/六

*30:調査情報 二〇一一・三/四

*31:悲劇喜劇 二〇一七・九

*32:サンデー毎日 二〇一九・十二・十五

*33:文藝春秋SPECIAL 二〇一二・春

*34:新潮45 二〇一六・四

*35:新潮45 二〇一六・八

*36:新潮45 二〇一六・十二

*37:新潮45 二〇一八・八