坪内祐三「戦後論壇の巨人たち」

坪内祐三が『諸君! 』1996年7月号から1998年6月号まで2年に渡り24回連載した「戦後論壇の巨人たち」は1回当たり2400字(400字詰め原稿用紙6枚)のエッセイである。このエッセイは単行本に収録されていないので、題を列挙。*1

第一回 福田恆存(『諸君! 』1996.7)
「保守反動」と呼ばれた正論家
〈福田恆存を知る三冊〉

  • 『人間・この劇的なるもの』
  • 『日本を思ふ』
  • 『批評家の手帖』


第二回 田中美知太郎(『諸君! 』1996.8)
歴史の真実を語ろうとした人
〈田中美知太郎を知る三冊〉

  • 『哲学入門』
  • 『時代と私』
  • 『思想に強くなること』


第三回 小林秀雄(『諸君! 』1996.9)
ものそのものと出会う
小林秀雄を知る三冊〉

  • 『栗の樹』
  • 『考えるヒント3』
  • 『Xへの手紙・私小説論』


第四回 林達夫(『諸君! 』1996.10)
「書かない人」になったわけ
林達夫を知る三冊〉


第五回 大宅壮一(『諸君! 』1996.11)
彼が「無思想人」を宣言した時
大宅壮一を知る三冊〉

  • 『無思想の思想』
  • 『実録・天皇記』
  • 『青春日記』


第六回 三島由紀夫(『諸君! 』1996.12)
文化防衞論」という一つの謎
三島由紀夫を知る三冊〉

  • 『裸体と衣裳』
  • 『私の遍歴時代』
  • 『荒野より』


第七回 小泉信三(『諸君! 』1997.1)
フェアプレー精神について
小泉信三を知る三冊〉

  • 共産主義批判の常識』
  • 『海軍主計大尉小泉信吉』
  • 『わが文芸談


第八回 花田清輝(『諸君! 』1997.2)
元祖「楕円的思考」の人
花田清輝を知る三冊〉

  • 『復興期の精神』
  • 花田清輝評論集』
  • 『箱の話/ここだけの話』


第九回 唐木順三(『諸君! 』1997.3)
型の喪失とそれに代るもの
唐木順三を知る三冊〉

  • 『新版現代史への試み』
  • 『日本人の心の歴史』
  • 『朴の木』


第十回 竹山道雄(『諸君! 』1997.4)
ひっそりとした情熱家
竹山道雄を知る三冊〉


第十一回 中野好夫(『諸君! 』1997.5)
頑固なお調子者
中野好夫を知る三冊〉

  • 『悪人礼賛』
  • 『風前雨後』
  • 『英文学夜ばなし』


第十二回 橋川文三(『諸君! 』1997.6)
後ろを見つめたまま前へ進む
橋川文三を知る三冊〉


第十三回 河上徹太郎(『諸君! 』1997.7)
懐しさの由来する所
河上徹太郎を知る三冊〉


第十四回 中野重治(『諸君! 』1997.8)
皮膚感覚と正確さ
中野重治を知る三冊〉

  • 中野重治評論集』
  • 『新編 沓掛筆記』
  • 『あけびの花』


第十五回 鮎川信夫(『諸君! 』1997.9)
単独者の思想
鮎川信夫を知る三冊〉

  • 『擬似現実の神話はがし』
  • 『全否定の原理と倫理』
  • 『時代を読む』


第十六回 竹内好(『諸君! 』1997.10)
間違え方において正直な人
竹内好を知る三冊〉

  • 『日本とアジア』
  • 『近代の超克』
  • 『方法としてのアジア』


第十七回 桑原武夫(『諸君! 』1997.11)
モラリストの二重性
桑原武夫を知る三冊〉

  • 『第二芸術』
  • 『思い出すこと忘れえぬ人』
  • 桑原武夫集』


第十八回 宮崎市定(『諸君! 』1997.12)
現実を眺める歴史家の眼差し
宮崎市定を知る三冊〉

  • 『東風西雅』
  • 『中国に学ぶ』
  • 西アジア遊記』


第十九回 葦津珍彦(『諸君! 』1998.1)
筋の通った人
〈葦津珍彦を知る三冊〉

  • 『時の流れ』
  • 『永遠の維新者』
  • 『武士道』


第二十回 清水幾太郎(『諸君! 』1998.2)
その独特の語りかけ
清水幾太郎を知る三冊〉

  • 倫理学ノート』
  • 『論文の書き方』
  • 『本はどう読むか』


第二十一回 羽仁五郎(『諸君! 』1998.3)
「子供みたい」は最高のほめ言葉
羽仁五郎を知る三冊〉


第二十二回 臼井吉見(『諸君! 』1998.4)
編集者ならではのバランス感覚
臼井吉見を知る三冊〉

  • 『蛙のうた』
  • 臼井吉見集』第三巻
  • 『自分をつくる』


第二十三回 山本七平(『諸君! 』1998.5)
岡チャンの愛読書
山本七平を知る三冊〉


第二十四回 丸山眞男(『諸君! 』1998.6)
「孤独」な「進歩派」の「自己内対話」
丸山眞男を知る三冊〉

  • 『自己内対話』
  • 『日本の思想』
  • 『増補版 現代政治の思想と行動』

*1:『右であれ左であれ、思想はネットでは伝わらない。』(幻戯書房2017年12月刊)に収録された。