⑮『革命的な、あまりに革命的な』

  • 絓秀実『革命的な、あまりに革命的な 「1968年の革命」史論』(作品社、二〇〇三年五月二五日第一刷印刷/二〇〇三年五月三〇日第一刷発行)
    装幀 間村俊一
  • 絓秀実『増補ぞうほ 革命的かくめいてきな、あまりに革命的かくめいてきな 「1968ねん革命かくめい史論しろん筑摩書房ちくま学芸文庫〕、二〇一八年五月十日第一刷発行)*1
    カバーデザイン 加藤賢策(LABORATORIES)

第Ⅰ部 ニューレフトの誕生
第一章 「歴史の必然」からの自由がもたらされた時*2

  • イントロダクション
  1. スターリン批判/ハンガリー事件
  2. ニヒリズムとラディカリズムの共存

第二章 文化的ヘゲモニー闘争の「勝利」とアポリア*3

  1. 裏切られた革命?
  2. 永遠の未来か、今ここか
  3. 大西巨人花田清輝

第三章 「実存的ロマンティシズム」とニューレフトの創生*4

  1. 日本浪曼派の導入
  2. イロニーとしての「故郷」
  3. 三島由紀夫ファシズム美学

第四章 大江健三郎における保守的革命主義の帰趨*5

  1. ブント創設の時代
  2. 全学連とわれらの時代
  3. 先験的な故郷喪失の感情
  4. パラノイア的磁場からの逃走

第五章 廣松渉による「疎外革命論批判」の深度と射程*6

  1. ニューレフトに介入する廣松渉
  2. 表象をこえるさまざまな「現実」
  3. ヘーゲルは回帰する

第Ⅱ部 カウンターカルチャーと理論的実践
第六章 詩的言語の革命と反革命*7

  1. 表象=代行批判
  2. 「似ていること」のパラドックス
  3. 天沢退二郎と「間隙」の暴力
  4. 三島由紀夫の「勝利」

第七章 アンダーグラウンド演劇のアポリア*8

  1. 六〇年安保からの出発
  2. 近代芸術のなかでの「遅れ」
  3. ブレヒト的なものからの撤退
  4. スターリン主義の回復
  5. デミウルゴス的主体としての「女神」
  6. 三島由紀夫以降の問題
  7. つかこうへいの登場

第八章 小説から映画へのエコロジー的転回*9

  1. メディア論の要請
  2. 演劇と現前性の希求
  3. ドキュメンタリー映画の諸問題

第九章 宇野経済学と「模型」千円札*10

  1. 「一九三〇年代の思想」として
  2. 科学とイデオロギーの分離/統一
  3. 価値論と現代芸術
  4. 芸術家としての労働者

第Ⅲ部 生成変化する「マルチチュード
第一〇章 世界資本主義論から第三世界論へ*11

  1. 政治的危機/革命的危機?
  2. ブント主義の理論的保証
  3. 戦後民主主義批判の意味
  4. 大衆教育社会と大学の変貌
  5. マオイズムと戦争(機械)

第一一章 戦争機械/陣地戦/コミューン*12

  1. 二・二六事件への関心
  2. 徒党としての青年将校運動
  3. グラムシの導入
  4. 有機的知識人の概念
  5. 個体性とシンギュラリティー

第一二章 ゾンビをめぐるリンチ殺人から内ゲバという生政治へ*13

  1. 歴史的背景と区別
  2. 黙示録的革命主義
  3. 監視・摘発・管理

第一三章 一九七〇・七・七という「開戦」*14

  1. ならずものこそ素晴らしい
  2. スターリン批判以降の毛沢東
  3. 六八年の毛沢東主義
  4. 決定的な切断、七・七
  5. マイノリティーへの「報酬配分」
  6. 反差別闘争のダブルバインド


付論 戦後 - 天皇制 - 民主主義をめぐる闘争──八・一五革命 vs. 一九六八年革命


「1968年の革命」関連年表
人名索引
あとがき
文庫版あとがき
解説 戦後民主主義の「革命的な」批判のために(王寺賢太

【初出一覧】*15


『革命的な、あまりに革命的な』書評

*1:ちくま学芸文庫版は「付論」「文庫版あとがき」「解説」を増補。作品社版の「人名索引」は「「1968年の革命」関連年表」の後であったが、ちくま学芸文庫版の「人名索引」は「解説」の後である。

*2:早稲田文学」2000年11月号

*3:早稲田文学」2001年1月号

*4:早稲田文学」2001年3月号

*5:早稲田文学」2001年5月号

*6:早稲田文学」2001年7月号

*7:現代詩手帖」2001年7月号

*8:「演劇人」8号(2001年10月)と「舞台芸術」1号(2002年6月)を併せて全面改稿

*9:舞台芸術」2号(2002年11月)

*10:早稲田文学」2001年9月号

*11:早稲田文学」2002年1月号

*12:早稲田文学」2002年3月号

*13:早稲田文学」2002年5月号

*14:早稲田文学」2002年7月号

*15:「✽初出時のタイトルを若干変更したものがある」