⑲『反原発の思想史』

  • 絓秀実『反原発の思想史 冷戦からフクシマへ』筑摩書房〔筑摩選書34〕、二〇一二年二月一五日初版第一刷発行)
    装幀者 神田昇和

まえがき


第1章 中ソ論争に始まる── 一九五〇年代〜六〇年代
1 「戦後」という神話

  • 捏造された「起源」
  • 原水禁運動前夜

2 『死の灰詩集』から和合亮一

  • 反核言説を可能にした条件
  • 核タブーの解除と原子力の平和利用

3 「平和共存論」と毛沢東


第2章 毛沢東主義から科学批判へ──「一九六八年」
1 武谷三男の技術論と新左翼

2 科学批判と「一九六八年」


第3章 津村喬と「安全」=「終末」論批判── 一九七〇年代
1 毛沢東を「誤読」する

2 「統治」テクノロジー批判とエコロジー


第4章 ニューエイジ宮澤賢治アナキズム── 一九七〇年代〜八〇年代
1 ヒッピーとラディカルズ

2 宮澤賢治ロハス的「国民化」

3 アナキズム社稷コミユーン主義


第5章 反原発としての「宝島文化」とその背景── 一九八〇年代後期
1 反核運動から反原発運動へ

  • 既成の運動の後退
  • 「文学者の反核声明」と冷戦体制

2 野草社「80年代」と別冊宝島

3 雑誌「遊」と松岡正剛


第6章 「マルチチュード」は誕生したか?── 一九九〇年代〜現在
1 反原発ニューウェーブ」とフェミニズム

2 ヒッピーたちの反原発運動

  • 政治的な方向へ
  • 「いのちの祭り」への集結

3 「ドブネズミ」たちの反原発

  • 新しい若者たち
  • 疎外される反原発運動
  • 「Xデー」と「自粛」

4 オウム真理教事件からポスト冷戦へ

  • 八〇年代は「スカ」だった
  • 「だめ連」の登場
  • 「ドブネズミ」のなかの格差
  • 知識人とネットウヨ


暫定的な、おわりに──素人の乱と「福島」以後

  • 「自己責任」としてのデモ
  • 反貧困が抱えるディレンマ


あとがき
主要参考文献一覧


『反原発の思想史』書評