⑳『天皇制の隠語』

第Ⅰ部 天皇制の隠語ジャーゴン

天皇制の隠語ジャーゴン──日本資本主義論争と文学*1

  • 1章 日本資本主義論争の「現在」
  • 4章 「労農派的」転回とコモンウェルス
    • 講座派文学史観への批判
    • 天皇制への応接
    • 労働力の問題
    • 貨幣と言文一致
    • 人的資本論と講座派
    • 市民社会」主義の失効
    • 資本家社会と「人的資本家」たちの社会
    • 人的資本化の無理

暴力の「起源」──村上一郎市民社会マルクス主義*2


第Ⅱ部 市民社会変奏ヴァリアント

幻想・文化・政治──今なお不可視化されている「下部構造」について*3
資本の自由/労働の亡霊*4

  1. 史記述のなかのある欠落
  2. 「六八年」における出版労働争議
  3. 非物質的労働と労働価値説
  4. 新自由主義の「革命」
  5. 「労働力商品化の無理」と「道理」

市民社会とイソノミア*5
プレカリアート」の食*6

世界資本主義下のベーシック・インカム*7

  • 「働かざる者、食わざるべからず」の視点
  • ワープア的高学歴貧困層の増大
  • BIは資本主義存続への請願!?


第Ⅲ部 文学の争異ディフェラン

フィクションの「真実」はどこにあるか──キャラクター小説と1968年*8
陳腐な「ワル」について*9
下流文学論序説*10

フォルマリズムは政治を回避できるか──書評・渡部直己『日本小説技術史』*11
断固とした詩的決断主義を宣言したロマン的イロニーの書──福田和也『日本の家郷』解説*12
女たちの欲望と「大逆」──書評・福田和也『現代人は救われ得るか』*13
「沢山」からゼロへのフェティシズム的転回──小川洋子小論*14
私小説から風俗小説へ」とは何か?──角田光代小論*15
アヴァンギャルド社会主義リアリズムの狭間で──蔵原惟人の可能性*16
「『敗北』の文学」の結論──追悼 宮本顕治*17
中上健次とともに──追悼 荒岱介*18


第Ⅳ部 感覚の政治学ポリティクス

百年の孤独を生きる、現代の「危険な才能」──つかこうへい/神代辰巳中上健次ショーケン*19
映画とあること、革命家であること──太陽肛門スパパーン『映画「ラザロ」オリジナルサウンドトラック』解説*20
退けられた「中国人」の表象──大島渚監督『アジアの曙』*21
「いざ、生きめやも」とはなにか──宮崎駿監督『風立ちぬ*22

万国博覧会と癌(cancer)──大阪から愛知への芸術=資本主義の変容*23

太陽の塔」を廃炉せよ*24


あとがき
【後注】
初出一覧


天皇制の隠語』書評

*1:1・2章:『子午線 原理・形態・批評』Vol.2(「小林秀雄マルクス主義」)、3・4章:書き下ろし

*2:公開シンポジウム「ポスト68年の思想と政治──〈階級闘争〉から〈社会運動〉へ?」(2014.2.1(土)13:00-18:00/京都大学人文科学研究所本館共通1講義室)口頭発表原稿

*3:『atプラス』12

*4:法政大学比較経済研究所/長原豊編『比較経済研究所研究シリーズ別巻 政治経済学の政治哲学的復権 理論の理論的〈臨界-外部〉にむけて』(法政大学出版局

*5:『atプラス』16

*6:『季刊at』12号

*7:『季刊at』14号

*8:第10次『早稲田文学』3号

*9:週刊読書人』第2960号〔2012年10月12日〕

*10:ユリイカ』2006年2月号

*11:『季刊メタポゾン』第9号〔2013年仲夏〕

*12:福田和也著『日本の家郷』(洋泉社MC新書)

*13:『新潮』2010年9月号

*14:ユリイカ』2004年2月号

*15:ユリイカ』2011年5月号

*16:en-taxi』VOL.25〔SPRING2009〕

*17:en-taxi』VOL.19〔AUTUMN2007〕

*18:週刊読書人』第2889号〔2011年5月20日

*19:萩原健一/絓秀実著『日本映画[監督・俳優]論 黒澤明神代辰巳、そして多くの名監督・名優たちの素顔』(ワニブックス【PLUS】新書)

*20:太陽肛門スパパーン/ザ・ヒメジョオン『ラザロ ORIGINAL SOUND TRACK』(いぬん堂

*21:映画芸術』443号〔2013春〕

*22:映画芸術』445号〔2013秋〕

*23:『悍』第2号

*24:市田良彦王寺賢太小泉義之/絓秀実/長原豊著『脱原発「異論」』(作品社)