⑪『「超」言葉狩り論争』

【Ⅰ】

「ゴーマニズム」は「セコイズム」である*1

小林よしのりと「セコイズム」の運命──サンチョ志願者・浅羽通明に寄す*2

  • 器官なき身体」を獲得する運動
  • 筒井康隆エイズ差別とゲイ差別
  • 「ウソをたれ流す」のはどっちだ!?
  • 『SPA!』編集部への訂正・謝罪要求
  • 小林にはサンチョが必要

《資料》 『SPA!』編集部ならびに小林よしのり氏に対して、釈明そして/あるいは訂正・謝罪を求める*3

緊急に、「筒井康隆問題」を論じる*4

  • 「詩的な病」への執着
  • てんかん協会との「和解」交渉
  • 筒井批判のタブー
  • 不可解な解同との結託
  • 暴露された疑似的多元主義

マイノリティ運動の「方向転換」を論ず──筒井康隆文学部唯野教授』批判、その他*5

  • 解放同盟の「対応」
  • 黒人公民権運動の「教訓」
  • 「ゲイ」と「エイズ」への差別

なされるべき議論が回避されている──改めて、筒井康隆岩波書店、『サンデー毎日』に問う*6

本田勝一氏に答え、論議の進展・深化を促す*7

闘争という「社交」──サリン─オウム」・言論・学生運動*8

  • 「左翼」と「公安」の結託
  • 宗教は「阿片」か
  • シンギュラーな「個」


【Ⅱ】

「歴史」を捏造する戦後民主主義──アイデンティティー・ポリティクスとイメージ批判*9

  • 「事実」を「虚構」と混淆させる手法
  • ジャーナリスト的客観性という欺瞞
  • 「正しい歴史」を語ってはならない

「文学」という反動性*10

メディアと政治*11

日本の作家は「差別問題」に対応できるのか*12

ラシュディ・「政治少年死す」・「風流夢譚」*13

「時評」における「言論の自由*14


【Ⅲ】

言論の自由」をめぐる闘争──大西巨人インタビュー*15

萎縮するメディアのなかで──安原顯中森明夫との鼎談*16

  • まぼろしの連載
  • メディアの位置
  • どうやって護るか
  • 大江を愛する!?
  • オレは復活するぞ
  • メディアの差異が失われている
  • 死んじゃうなんて
  • 絓秀実を糾弾せよ


あとがき
初出一覧

  • 本書冒頭に「坂内仁に捧ぐ」と記されている。本書装丁者の府川充男・編著『ザ・一九六八』(白順社、2006年)巻末の絓秀実「思い出すことなど──「解説」に代えて」に坂内仁について言及がある。
  • 本書には大西巨人へのインタヴュー「「言論の自由」をめぐる闘争」が収録されているが、大西巨人五里霧講談社文芸文庫版所載「年譜」によれば、絓秀実は大西巨人へのインタヴューをそれ以降三度は行っているようである。最初のインタヴュー以外は活字化されていないようなので、活字化を望む。
    • 「共同インタヴュー 大西巨人に聞く 小説と「この人を見よ」」(『批評空間』第Ⅱ期第24号)
    • 「『言』──こころ語り」第五回(2000年5月13日)*17
    • 「現代小説の現場・『深淵』をめぐって」(2004年5月22日)*18


『「超」言葉狩り論争』書評

  • 伊東貴之「ペンと口説を武器に すぐれて論争提起的な存在 マイノリティーの闘争に深く関わる」(「週刊読書人」1995年12月1日号)

*1:『SPA!』九四年九月二十八日号

*2:『宝島30』九五年一月号

*3:未発表

*4:週刊金曜日』九四年十月十四日号

*5:『情況』九五年一月号

*6:週刊金曜日』九五年三月三日号

*7:週刊金曜日』九五年六月九日号

*8:『情況』九五年七月号

*9:『Ronza』九五年八月号

*10:図書新聞』九四年十一月十九日号

*11:図書新聞』九五年三月四日号

*12:三田文学』九五年冬季号

*13:三田文学』九五年春季号

*14:三田文学』九五年夏季号

*15:『情況』九五年七月号

*16:早稲田文学』九五年六月号

*17:『季刊メタポゾン』第11号(2017年12月刊)で活字化された。

*18:荻上チキによるレポートがある。[http://d.hatena.ne.jp/seijotcp/20040523