坪内祐三の今月この一冊

『月刊Hanada』連載

16.06 重政隆文『映画の本の本Ⅱ』
16.07 宮田昇小尾俊人の戦後 みすず書房出発の頃』
16.08 常盤新平『翻訳出版編集後記』
16.09 宮永正隆ビートルズ来日学』
16.10 小檜山博『人生という夢』
16.11 横尾忠則千夜一夜日記』
16.12 玉袋筋太郎+プロレス伝説継承委員会『抱腹絶倒!! プロレス取調室 昭和レスラー夢のオールスター編』
17.01 井口幸久『絵描きと画材屋 洋画家・野見山暁治と山本文房堂・的野恭一の五十年』
17.02 高野慎三『貸本漫画と戦後の風景』
17.03 大瀧啓裕『翻訳家の蔵書』
17.04 荒川佳洋『「ジュニア」と「官能」の巨匠 富島建夫伝』
17.05 ジョゼフ・ミッチェル『マクソーリーの素敵な酒場』
17.06 武田百合子『あの頃 ─ 単行本未収録エッセイ集』
17.07 山高登『東京の編集者』
17.08 荒木経惟『私情写真論』
17.09 鈴木宏『風から水へ ある小出版社の三十五年』
17.10 福田逸『父・福田恆存』
17.11 涸沢純平『遅れ時計の詩人』
17.12 色川武大『戦争育ちの放埓病』
18.01 櫻井正一郎『京都学派 酔故伝』
18.02 村松友視『アリと猪木のものがたり』
18.03 高橋三千綱楽天家は運を呼ぶ』
18.04 亀和田武『黄金のテレビデイズ2004-2017』
18.05 高崎俊夫『祝祭の日々 私の映画アトランダム』
18.06 菅野昭正編『澁澤龍彥の記憶』
18.07 新秋出版社文芸部編『文壇出世物語』
18.08 本の雑誌編集部編『ニッポンの本屋』
18.09 髙平哲郎『酒と莫迦の日々』
18.10 『山の上の家』
18.11 平出隆『私のティーガルテン行』
18.12*1 山際永三 内藤誠 内藤研『監督 山際永三、大いに語る』
19.01 J.ウォーリー・ヒギンズ『秘蔵カラー写真で味わう60年前の東京・日本』
19.02 久米明『僕の戦後舞台・テレビ・映画史70年』
19.03 亀和田武『雑誌に育てられた少年』
19.04*2 木村みのる 高宮雄次『GS第三世代 50年後の逆襲』
19.05 『俺たちのプロレス』編集部『『週プロ』黄金期 熱狂とその正体』
19.06 荻原魚雷『古書古書話』
19.07 平山周吉『江藤淳は甦える』
19.08 ミチコ・カクタニ『真実の終わり』
19.09 鏡明『ずっとこの雑誌のことを書こうと思っていた。』
19.10 肥田晧三『再見 なにわ文化』
19.11 北上次郎『書評稼業四十年』
19.12 荒磯寛『我が相撲道に一片の悔いなし 稀勢の里自伝』
20.01 志垣民郎著 岸俊光編『内閣調査室秘録 戦後思想を動かした男』
20.02 小尾俊人小尾俊人日誌 1965-1985』
20.03 梅宮辰夫『不良役者 梅宮辰夫が語る伝説の銀幕俳優破天荒譚』

*1:「今こそ『新潮60』の創刊を──『新潮45』問題に寄せて──」(266-272頁)掲載

*2:「ありがとう、オツカレさま稀勢の里」(267-275頁)掲載

雑誌メモ

文藝春秋』4月号「人声天語」(190)/「ジョージ・オーウェルさえ予想できなかった世界」

週刊文春』2月21日号「文庫本を狙え!」(1015)/岩田宏『渡り歩き』(草思社文庫)

文庫 渡り歩き (草思社文庫)

週刊文春』2月28日号「文庫本を狙え!」(1016)/サルトル×レヴィ『いまこそ、希望を』(光文社古典新訳文庫

いまこそ、希望を (光文社古典新訳文庫)

週刊文春』3月7日号「文庫本を狙え!」(1017)/ミシェル・フーコー『マネの絵画』(ちくま学芸文庫

マネの絵画 (ちくま学芸文庫)

週刊文春』3月14日号「文庫本を狙え!」(1018)/石田五郎『星の文人 野尻抱影伝』(中公文庫)

星の文人 野尻抱影伝 (中公文庫)

雑誌メモ

文藝春秋』3月号「人声天語」(189)/「天覧相撲のその時稀勢の里はすでに引退していた」

週刊文春』1月31日号「文庫本を狙え!」(1012)/柳澤健『1964年のジャイアント馬場』(双葉文庫

1964年のジャイアント馬場 (双葉文庫)

週刊文春』2月7日号「文庫本を狙え!」(1013)/鈴木智彦『昭和のヤバいヤクザ』(講談社+α文庫)

昭和のヤバいヤクザ (講談社+α文庫)

週刊文春』2月14日号「文庫本を狙え!」(1014)/土本典昭『不敗のドキュメンタリー 水俣を撮りつづけて』(岩波現代文庫

不敗のドキュメンタリー: 水俣を撮りつづけて (岩波現代文庫 社会 311)

週刊ポスト』2月15・22日号「この人に訊け!」/坪内祐三「私が青春時代に愛読した作家たちの全体像を俯瞰」─斎藤禎『文士たちのアメリカ留学 一九五三〜一九六三』(書籍工房早山)

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(26)大阪おもい

大阪おもい

  • 坪内祐三『大阪おもい』、ぴあ、二〇〇七年十月十三日初版発行
    [装丁・本文デザイン]橘浩貴
    [装画]南川昌子
    [写真]松山泰三
    [編集]仲本有希子

喜劇百年の年に新橋演舞場でみた松竹新喜劇
サヨウナラ 中島らもさん
念願の正宗屋を初体験した
私ははたして「明治屋」に行けるのだろうか
芦辺拓の『時の誘拐』はぜひ読んでみなければ
なぜその晩の献立にたこやきが選ばれるのだろうか
永沢光雄の最期の藤井寺球場観戦記は凄みのある名文だ
神戸市の小磯記念美術館で「内田巌展」をみてきた
昭和十五年に九十二歳で死んだ二世貞信のことを詳しく知りたい
北浜の「ロックフィッシュ」でもハイボールを飲んできた
『大阪力事典』という新刊を見つけた
年末に流れた噂のことを憶えていますか
『大阪人』さんへの私からのリクエス
京阪線の京橋の立ち喰いソバ屋に「天ぷらソバ」と「カキアゲソバ」があった
富岡多恵子さんの新しいエッセイ集『難波なにわともあれ ことのよしあし』を読んだ
「ホテルアンビエント堂島」のこと
そうとは知らず生駒ビルヂングを体験していた
大阪府立体育館で大相撲春場所をみてきた
大阪でしか食べられないうどんについて
念願の唐組紅テントの大阪公演を体験してきた
水了軒の大阪かつ弁当も好き
ヨーロッパ通りのレストランNのロゴも佐野繁次郎
藤澤桓夫の『大阪』を読み通せない
心待ちにしていた新刊『大阪近代文学事典』を読んだ
石丸梧平を知ってるかい
三軒茶屋はおシャレな町か
キダ・タローで笑える謎
INAXギャラリーの「肥田せんせぃのなにわ学」展をみてきた
『大阪の歴史』第六十二号「道頓堀特集」は、持っていて損はないね
井上章一さんこの数字は信用できますかね
『モダン心斎橋コレクション』で「まぼろしの大阪」を遊歩する
「今井」のうどんを東京で味わおうとズルをした
椎名誠さん、次に大阪の駅弁を批判する時は具体名を書いて下さいね
村上さんの「ビヘイビア」は大阪の伝統かも
成瀬巳喜男『めし』をようやく見ることができた
国立文楽劇場で『本朝廿四孝』の通しをみてきた
昭和二十七年に出た『大阪今昔図絵』は見ごたえがあるね
「うだつ」の意味をはじめて知ったね
中場利一さんのエッセイ集に登場する「A氏」のこと
はじめて行った新世界の印象
新世界の「更科」はカレーそばもおいしかった
旭屋書店はどうなっていくのだろう
「猟盤日記」シリーズの第四弾『やられた! 猟盤日記』を読んだ
大阪の山本夏彦かつ山口瞳と呼ばれた人
大阪人はジュース好き?


一〇一回記念特別対談 玄月×坪内祐三*1


「ミス大阪」でCKBのステージを見てみたい
いわゆる〝どまんなか〟問題について
大阪寿司こそ元祖スローフードである
タマちゃんの新番組は始まったのだろうか
沖縄ソバを買い出しに大阪に行く
天神橋筋が「プチット神保町」になっているのか
鱧を食べに行く代りに「鱧の皮」を再読する
夫へ送る「鱧の皮」の包を「お文」はちょっと撫でてみる
戦後すぐに出た『上司小剣選集』全三巻は完結したのだろうか
中村よおさんの新しいエッセイ集は、予想通り素晴らしい
さよなら「ホテルアンビエント
インデアンカレー」を初体験した
関西人は納豆が嫌いか?
大阪歴史博物館は江戸東京博よりいいね
『大阪近代文学作品事典』を読む
上司小剣まぼろしの長篇小説『大阪』
八年前の富岡・町田対談で泡鳴の「ぼんち」を知った
すみません大久保怜って誰ですか?
「堂島の屋上庭園」はまだあるのですか?
吉野鮺の箱寿司は木箱で作っているのではないの?
明治十七年の『大坂穴探』
主婦は「器械」で「内宝」だと『大坂穴探』は言う
閑話休題あだしごとはさておき」というフレーズは宇野浩二の「発明」ではなかった
信濃そば」の肉うどんもおいしかった
週刊誌をにぎわしている例の﹅﹅問題についての感想
一九八〇年代以降のタイガースブームに関する一つの仮説
ごめんなさい『大坂穴探』は二十年以上前に復刻されていました
道頓堀で小林秀雄が耳にしていた音


あとがきにかえて 連載「まぼろしの大阪」の五年を振り返る*2

初出『ぴあ関西版』連載「まぼろしの大阪」二〇〇四年八月二十三日号~二〇〇七年六月十四日号

*1:二〇〇六年四月十七日、鶴橋「大吉」にて。

*2:〈二〇〇七年八月八日 銀座・ロックフィッシュにて〉

(25)四百字十一枚

四百字十一枚

ローカル日記三部作の「葉山日記」がついに単行本になった*1
漫画雑誌編集者の二冊の回想集*2
ターザン山本の語り下ろし対談集の第二弾*3
いよいよ『記憶の場』の刊行が始まった*4
三宿の古本屋で見つけた『六浦光雄作品集』*5
あのブックス・アンド・カンパニーについての本*6
伝説の古書店についての、しかも孫が書いた、本が出た*7
このところ、『風景』のバックナンバーを拾い読みしている*8
渋谷のパルコブックセンターで見つけた二冊のエッセイ集*9
アブドーラ・ザ・ブッチャーはストリートワイズである*10
写真は何に「まなざし」をそそぐのか*11
池袋ジュンク堂トーク・セッションの謝礼で『徳田秋聲全集』第二十五巻を買った*12
国内「亡命」者の遺した珠玉の雑文集*13
『男どアホウ甲子園』と『ウルトラマン』と『略称・連続射殺魔』を作った人の自伝*14
ポーリン・ケイルの映画評論集が予告から十八年目にして刊行された*15
一九七四年四月、六十五歳の植草甚一は初めてニューヨークにいった*16
田村義也さんに装丁してもらいたかった一冊の本*17
感動の大安売りの時代に本当に感動出来る本*18
三島由紀夫の書簡が集大成された*19
少し昔の東京食べ物屋ガイドを、文字通り「雑読」している*20
テリー・イーグルトンとアルバート・フィニーは同じ町の出身だって*21
常盤新平の描く『ニューヨーカー』風ニューヨーク・ラブストーリー*22
小中陽太郎と海老坂武の新刊は続けて読むべきだ*23
小沢信男の新作は「二つの時代」を生きた人ならではの傑作である*24
丸山眞男の書簡集が完結した*25
三たびホリキリの季節*26
二年前に出た前田陽一の遺稿集『含羞のエンドマーク』を新刊﹅﹅で見つけた*27
吉田豪のインタビュー集『人間コク宝』はやはり凄く面白かった*28
銀座が銀座らしかった時代の『銀座百点』を読みふけっている*29
去年の暮れに早稲田の古本屋で偶然見つけた一冊の新刊本*30
ロラン・バルト著作集の『現代社会の神話』は『神話作用』の完全訳だ*31
月の輪書林からもらった二冊のオマケ*32
福田恆存の「解つてたまるか!」の三十七年ぶりの上演をみてきた*33
エドマンド・ウィルソンの真骨頂はジャーナリスティックな雑文にあり*34
高橋英夫の読書エッセイ集の最新刊*35
青木正美の『古書肆・弘文荘訪問記』は評伝文学の傑作だ*36
児玉清の描く信欣三の思い出が面白い*37
伝説のバー「ホワイト」が丸ごと一冊の本になった*38
柳田泉の『随筆 明治文学』の東洋文庫化は本当に嬉しい*39
谷沢永一の『紙つぶて』「自作自注最終版」の刊行に寄せて*40
前田愛はいかにして都市記号論を体得していったのか*41
十年前に私は、タヌキの置き物の飾ってある定食屋で岡崎武志と昼食を共にした*42
神保町の東京堂書店で『アーモリー・ショウ物語』が平積みされていた*43


あとがき
著者略歴

*1:論座』2002年11月号

*2:論座』2002年12月号

*3:論座』2003年1月号

*4:論座』2003年2月号

*5:論座』2003年3月号

*6:論座』2003年4月号

*7:論座』2003年5月号

*8:論座』2003年6月号

*9:論座』2003年7月号

*10:論座』2003年8月号

*11:論座』2003年9月号

*12:論座』2003年10月号

*13:論座』2003年11月号

*14:論座』2003年12月号

*15:論座』2004年1月号

*16:論座』2004年2月号

*17:論座』2004年3月号

*18:論座』2004年4月号

*19:論座』2004年5月号

*20:論座』2004年6月号

*21:論座』2004年7月号

*22:論座』2004年8月号

*23:論座』2004年9月号

*24:論座』2004年10月号

*25:論座』2004年11月号

*26:論座』2004年12月号

*27:論座』2005年1月号

*28:論座』2005年2月号

*29:論座』2005年3月号

*30:論座』2005年4月号

*31:論座』2005年5月号

*32:論座』2005年6月号

*33:論座』2005年7月号

*34:論座』2005年8月号

*35:論座』2005年9月号

*36:論座』2005年10月号

*37:論座』2005年11月号

*38:論座』2005年12月号

*39:論座』2006年1月号

*40:論座』2006年2月号

*41:論座』2006年3月号

*42:論座』2006年4月号

*43:論座』2006年5月号

(24)変死するアメリカ作家たち

変死するアメリカ作家たち

デルモア・シュワルツの悲劇

ハリー・クロスビーと失われた世代

早く来すぎた男 ナセニェル・ウエス

「偉大なアメリカ小説」を夢見たロス・ロックリッジ

ゴールデン・ゲイト・ブリッジに消えたウェルドン・キース

*1:『未来』一九九一年七月号

*2:『未来』一九九一年八月号

*3:『未来』一九九一年九月号

*4:『未来』一九九一年十二月月号

*5:『未来』一九九二年一月号

*6:『未来』一九九二年二月号

*7:『未来』一九九二年三月号

*8:『未来』一九九二年四月号

*9:『未来』一九九二年五月号

*10:『未来』一九九二年六月号

*11:『未来』一九九二年七月号

*12:『未来』一九九二年十一月号

*13:『未来』一九九二年十二月号

*14:『未来』一九九三年二月号

*15:『未来』一九九三年五月号

*16:『エンタクシー』九号(二〇〇五年三月)

*17:『エンタクシー』十号(二〇〇五年六月)

*18:書き下ろし

(23)「近代日本文学」の誕生

「近代日本文学」の誕生―百年前の文壇を読む (PHP新書)

  • 坪内祐三『「近代日本文学」の誕生 百年前の文壇を読む』、PHP研究所PHP新書421〕、二〇〇六年十月三十日第一版第一刷
    装幀者──芦沢泰偉+児崎雅淑

明治三十二(一八九九)年 「金色夜叉」のブーム──若き文豪尾崎紅葉
七月 「金色夜叉」連載を中断し、若き文豪は一人旅に出る*1
八月 荻生徂徠にならい、「文壇炒豆」をかじる内田魯庵*2
九月 無名作家田山花袋、最大手の出版社博文館に入館する*3
十月 二十一歳の永井壮吉、荷風の名で、文壇にデビューす*4
十一月 「東京児」の幸田露伴が口にする「一国の首都」論*5
十二月 泉鏡花の悲恋と師・紅葉と『湯島詣』*6


明治三十三(一九〇〇)年 新たな浪漫主義の興り──與謝野鐵幹『明星』創刊
一月 小倉に左遷された「鷗外漁史とは誰ぞ」*7
二月 毎日新聞記者木下尚江、足尾鉱毒問題の取材ヘ*8
三月 徳冨蘆花の自伝小説「おもひ出の記」連載開始*9
四月 與謝野鐵幹、『明星』を創刊する*10
五月 奇人・原抱一庵の「聖人乎盗賊乎」連載開始*11
六月 皮肉屋・斎藤緑雨の文壇保護奨励法*12
七月 まぼろし文人淡島寒月の小説「馬加物語」*13
八月 幸徳秋水の「非戦争主義」、『萬朝報』に載る*14
九月 五高教授夏目金之助、ロンドンに旅立つ*15
十月 無名作家国木田独歩の描いた東京の「郊外」*16
十一月 押川春浪の『海底軍艦』出帆する*17
十二月 雑誌『明星』が風俗壊乱で発禁となる*18


明治三十四(一九〇一)年 「個人主義」への転向──高山樗牛「美的生活」
一月 新聞『日本』で正岡子規の連載随筆「墨汁一滴」始まる*19
二月 福沢諭吉の旧稿「丁丑公論」発表される*20
三月 作者不詳の怪文書『文壇照魔鏡』現わる*21
四月 中江兆民、余命「一年有半」を宣告される*22
五月 広津柳浪の幻の長篇小説、一挙掲載(?)される*23
六月 名編集者大橋乙羽の死*24
七月 言文一致論議のブーム再びおこる*25
八月 高山樗牛が「美的生活」を論ずる*26
九月 川上眉山の『ふところ日記』が単行本化される*27
十月 薄田泣菫の第二詩集『ゆく春』が刊行される*28
十一月 岡倉天心、インドに向けて旅立つ*29
十二月 気鋭の文学者上田敏、矢継ぎ早に著書を刊行する*30


明治三十五(一九〇二)年 海外に向かう文学者たち──島村抱月「洋行」
一月 宮崎滔天の自叙伝「三十三年之夢」二六新報で連載始まる*31
二月 『新小説』の名編集長後藤宙外の文芸コラム「時文」*32
三月 島村抱月が「洋行」に向かう*33
四月 紅葉の最後の「金色夜叉」の連載が始まる*34
五月 二葉亭四迷が「股間政策」実現のため大陸に旅立つ*35
六月 博文館の大橋図書館が開館する*36
七月 矢野龍溪社会主義啓蒙小説『新社会』刊行される*37
八月 長谷川天溪の自然主義*38
九月 山田美妙の熱情戦話『あぎなるど』刊行される*39
十月 文武堂版の北村透谷全集刊行される*40
十一月 石川啄木、盛岡中学を退学し上京する*41
十二月 「教科書疑獄事件」が発覚する*42


明治三十六(一九〇三)年 思想のための死──藤村操「巌頭之感」
一月 石橋思案が『文藝倶楽部』の編集長に復帰する*43
二月 徳冨蘆花、兄蘇峰と「告別」する*44
三月 小泉八雲、文科大学を解雇される*45
四月 尾崎紅葉が愛弟子泉鏡花と芸者桃太郎の仲を割く*46
五月 一高生藤村操「巌頭之感」を残し自殺する*47
六月 エミール・ゾラが本格的に紹介される*48
七月 二葉亭四迷が北京をあとに帰国する*49
八月 児玉花外の幻の詩集が印刷される*50
九月 五代目尾上菊五郎に続いて九代目市川団十郎が亡くなる*51
十月 内村鑑三幸徳秋水ら萬朝報を退社する*52
十一月 明治大文豪尾崎紅葉逝く*53
十二月 幸徳秋水世田谷ボロ市探訪*54


明治三十七(一九〇四)年 自然主義の萌芽──田山花袋「露骨なる描写」
一月 大阪朝日新聞で「天声人語」が始まる*55
二月 田山花袋が「露骨なる描写」を発表する*56
三月 「二六新報」の秋山定輔が「露探」事件に巻き込まれる*57
四月 「萬朝報」に斎藤緑雨自作の死亡広告が掲載される*58
五月 佐藤儀助(義亮)が『新潮』を創刊する*59
六月 内田魯庵の非戦論が『太陽』に載る*60
七月 『文藝倶楽部』が増刊「勝いくさ」号を出す*61
八月 與謝野晶子の反戦詩「君死にたまふこと勿れ」が『明星』に載る*62
九月 『破戒』を執筆中の島崎藤村が『藤村詩集』を刊行する*63
十月 東京帝国大生の瀧田樗陰が『中央公論』の編集記者となる*64
十一月 岡倉天心の英文の評論『日本の目覚め』がアメリカで刊行される*65
十二月 読売新聞でXYという署名の連載「文科大学学生々活」が始まる*66


明治三十八(一九〇五)年 日露戦争と新しい文学──夏目漱石吾輩は猫である
一月 夏目漱石の「吾輩は猫である」の連載が『ホトトギス』で始まる*67
二月 反骨の文士田岡嶺雲が雑誌『天鼓』を創刊する*68
三月 明治の女子大生亡国論が『中央公論』に掲載される*69
四月 『破戒』を完成させるために島崎藤村が小諸から上京する*70
五月 石川啄木の処女詩集『あこがれ』が刊行される*71
六月 大阪朝日で不遇の二葉亭四迷内田魯庵の『復活』の翻訳に協力する*72
七月 雑誌『文庫』で小島烏水の(?)連載「明治文学史材」が始まる*73
八月 日露戦争勝利後の文学への漱石の期待*74
九月 島村抱月が三年半の欧州留学を終えて帰国する*75
十月 上田敏の訳詩集『海潮音』が刊行される*76
十一月 『中央公論』の「文芸」欄に露伴の「付焼刃」と漱石の「薤露行」が載る*77
十二月 『文藝倶楽部』の「雑誌」欄に永井荷風の「市俄古の二日」が掲載される*78


明治三十九(一九〇六)年 自然主義の開花と漱石そして二葉亭の復活
一月 島村抱月が『早稲田文学』を復刊する*79
二月 饗庭篁村の最後の新聞小説『不問語』が刊行される*80
三月 島崎藤村が『破戒』を自費出版する*81
四月 『ホトトギス』の附録として漱石の「坊っちゃん」が世に出る*82
五月 伊良子清白『孔雀船』と薄田泣菫『白羊宮』が刊行される*83
六月 徳冨蘆花トルストイのもとへ「順礼」に訪れる*84
七月 『文藝倶楽部』編集主任の石橋思案が「本町誌」の連載開始*85
八月 国木田独歩が独歩社を設立する*86
九月 「草枕」で夏目漱石が新しい小説の宣言を行なう*87
十月 二葉亭四迷の二十年振りの小説「其面影」が連載される*88

*1:文學界』一九九九年八月号

*2:文學界』一九九九年九月号

*3:文學界』一九九九年十月号

*4:文學界』一九九九年十一月号

*5:文學界』一九九九年十二月号

*6:文學界』二〇〇〇年一月号

*7:文學界』二〇〇〇年二月号

*8:文學界』二〇〇〇年三月号

*9:文學界』二〇〇〇年四月号

*10:文學界』二〇〇〇年五月号

*11:文學界』二〇〇〇年六月号

*12:文學界』二〇〇〇年七月号

*13:文學界』二〇〇〇年八月号

*14:文學界』二〇〇〇年九月号

*15:文學界』二〇〇〇年十月号

*16:文學界』二〇〇〇年十一月号

*17:文學界』二〇〇〇年十二月号

*18:文學界』二〇〇一年一月号

*19:文學界』二〇〇一年二月号

*20:文學界』二〇〇一年三月号

*21:文學界』二〇〇一年四月号

*22:文學界』二〇〇一年五月号

*23:文學界』二〇〇一年六月号

*24:文學界』二〇〇一年七月号

*25:文學界』二〇〇一年八月号

*26:文學界』二〇〇一年九月号

*27:文學界』二〇〇一年十月号

*28:文學界』二〇〇一年十一月号

*29:文學界』二〇〇一年十二月号

*30:文學界』二〇〇二年一月号

*31:文學界』二〇〇二年二月号

*32:文學界』二〇〇二年三月号

*33:文學界』二〇〇二年四月号

*34:文學界』二〇〇二年五月号

*35:文學界』二〇〇二年六月号

*36:文學界』二〇〇二年七月号

*37:文學界』二〇〇二年八月号

*38:文學界』二〇〇二年九月号

*39:文學界』二〇〇二年十月号

*40:文學界』二〇〇二年十一月号

*41:文學界』二〇〇二年十二月号

*42:文學界』二〇〇三年一月号

*43:文學界』二〇〇三年二月号

*44:文學界』二〇〇三年三月号

*45:文學界』二〇〇三年四月号

*46:文學界』二〇〇三年五月号

*47:文學界』二〇〇三年六月号

*48:文學界』二〇〇三年七月号

*49:文學界』二〇〇三年八月号

*50:文學界』二〇〇三年九月号

*51:文學界』二〇〇三年十月号

*52:文學界』二〇〇三年十一月号

*53:文學界』二〇〇三年十二月号

*54:文學界』二〇〇四年一月号

*55:文學界』二〇〇四年二月号

*56:文學界』二〇〇四年三月号

*57:文學界』二〇〇四年四月号

*58:文學界』二〇〇四年五月号

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*60:文學界』二〇〇四年七月号

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*64:文學界』二〇〇四年十一月号

*65:文學界』二〇〇四年十二月号

*66:文學界』二〇〇五年一月号

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*68:文學界』二〇〇五年三月号

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*75:文學界』二〇〇五年十月号

*76:文學界』二〇〇五年十一月号

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