(19)同時代も歴史である 一九七九年問題

坪内祐三『同時代どうじだいも歴史れきしである 一九七九年問題』、文藝春秋〔文春新書507〕、2006年(平成18年)5月20日第1刷発行 「まえがき」に代えて 一九八四年の「アンティゴネ」と二〇〇三年の「アンティゴネ」*1 オーウェル『一九八四』の年に 神々…

(18)極私的東京名所案内

坪内祐三『極私的東京名所案内』、彷徨舎、二〇〇五年一〇月一五日第一刷発行ブックデザイン 奥定泰之写真 本多正一編集協力 田中栞 坪内祐三『極私的東京名所案内 増補版』、ワニ・プラス〔ワニブックス【PLUS】新書021〕、2010年4月25日初版発行装丁 スタ…

(17)古本的

坪内祐三『古本的』、毎日新聞社、印刷2005年5月15日/発行2005年5月30日装丁◎栗田みすず Ⅰ 古本的 古本への情熱? 木村毅『青燈随筆』(双雅房・昭和十年)*1 驚き喜んだ木村毅の一冊 木村毅『巴里情痴傳』(千倉書房・昭和六年)*2 もうひとつの『文藝春秋…

(16)『別れる理由』が気になって

坪内祐三『『別わかれる理由りゆう』が気きになって』、講談社、二〇〇五年三月三〇日第一刷発行装幀 菊地信義 Ⅰ 1*1 2*2 3*3 Ⅱ 4*4 5*5 6*6 7*7 Ⅲ 8*8 9*9 10*10 11*11 12*12 13*13 Ⅳ 14*14 15*15 16*16 17*17 18*18 19*19 *1:「群像」二〇〇二年五月号 *2:…

(15)私の体を通り過ぎていった雑誌たち

坪内祐三『私わたしの体からだを通とおり過すぎていった雑誌ざつしたち』、新潮社、発行/2005年2月20日装画 唐人原教久装幀 新潮社装幀室 坪内祐三『私わたしの体からだを通とおり過すぎていった雑誌ざつしたち』、新潮文庫、平成二十年六月一日発行カバー…

(14)文庫本福袋

坪内祐三『文ぶん庫こ本ぼん福ふく袋ぶくろ』、文藝春秋、平成十六年十二月五日第一刷装幀 矢吹申彦*1 坪内祐三『文ぶん庫こ本ぼん福ふく袋ぶくろ』、文春文庫、2007年12月10日第1刷デザイン 鶴丈二 2000 青山光二『金銭と掟』 双葉文庫*2 坂本信一『ゴミに…

西条靫負について

大西巨人の小説『神聖喜劇』(光文社文庫)には西条靫負さいじようゆぎえという人物が登場する*1。西条靫負は主人公・東堂太郎のF高校時代における「ただ一人の親友」であり、1919年生まれの東堂太郎よりも「三歳年長の同級生」つまり1916年生まれである。F…

(13)まぼろしの大阪

坪内祐三『まぼろしの大阪』、ぴあ、二〇〇四年十月十日初版発行[編集]安藤善隆 仲本有希子[装丁・本文デザイン]橘浩貴[写真]後藤麻由香 まぼろしの大阪*1 週末の例の﹅﹅スポーツイベントを見てきた 大阪球場にあった「なんばん古書街」 OMMの古本祭…

雑誌メモ

『文藝春秋』2月号「人声天語」(188)/「平成という時代の終わりに」 『週刊文春』1月17日号「文庫本を狙え!」(1010)/安西水丸『東京美女散歩』(講談社文庫) 『週刊文春』1月24日号「文庫本を狙え!」(1011)/高田文夫『ご笑納下さい 私だけが知っ…

(12)一九七二

坪内祐三『一九七二いちきゆうななに 「はじまりのおわり」と「おわりのはじまり」』、文藝春秋、平成十五年四月二十五日第一刷装幀 有山達也タイトル版画 葛西絵里香協力 立花文穂 坪内祐三『一九七二いちきゆうななに 「はじまりのおわり」と「おわりのは…

坪内祐三「この文章がすごい!」「この文章に学べ!」

「伝説の人・青山二郎」の目を活写する山本夏彦の観察が鋭い*1 坪内祐三さんが選んだベスト5 Ⓐ 雲の影・貧乏の説 幸田露伴 講談社文芸文庫 講談社 Ⓑ 私の岩波物語 山本夏彦 単行本 文藝春秋 Ⓒ 青山二郎の眼 別冊太陽 平凡社 Ⓓ 日本の言論界はなぜ喧嘩がない…

雑誌メモ

『週刊文春』12月20日号「文庫本を狙え!」(1008)/山田花子『自殺直前日記 改』(鉄人文庫) 『週刊文春』12月27日号「文庫本を狙え!」(1009)/草森紳一『随筆 本が崩れる』(中公文庫) 『週刊ポスト』1月1・4日号「この人に訊け!新年スペシャル/平…

雑誌メモ

『文藝春秋』1月号「人声天語」(187)/「桜田大臣は「現代の病」と無縁なんだ」 『週刊文春』11月22日号「文庫本を狙え!」(1005)/ホーフマンスタール『チャンドス卿の手紙/アンドレアス』(光文社古典新訳文庫) 『週刊文春』11月29日号「文庫本を狙え…

呉智英「ネットのバカ 現実のバカ」

001(16.02.12)/「利便性」の「無遠慮」 003(16.02.26)/小保方元博士を潰すな 005(16.03.11)/白人系大統領オバマ氏 007(16.03.25-04.01)/「自由」という特権 009(16.04.15)/人権外交の勝利者 011(16.04.29)/自治という権力 013(16.05.20)/空虚な憲法論…

坪内祐三の美術批評 眼は行動する

『週刊ポスト』連載 001(12.03.16)/関東大震災後のバラックを装飾した「考現学の祖」今和次郎──今和次郎 採集講義展 002(12.03.23)/「隅田川に消えた」藤牧義夫の浅草的モダニズム──生誕100年 藤牧義夫展 003(12.03.30)/美術評論家・石子順造の「キッチュ…

雑誌メモ

『文藝春秋』12月号「人声天語」(186)/「オツカレサマでした高橋由伸」 『週刊文春』10月25日号「文庫本を狙え!」(1001)/福田恆存『芥川龍之介と太宰治』(講談社文芸文庫) 『週刊文春』11月1日号「文庫本を狙え!」(1002)/大庭萱朗編『殿山泰司…

雑誌メモ

『文藝春秋』11月号「人声天語」(185)/「大露羅オーロラをけっして忘れない」 『週刊文春』9月27日号「文庫本を狙え!」(997)/嵐山光三郎『漂流怪人・きだみのる』(小学館文庫) 『週刊文春』10月4日号「文庫本を狙え!」(998)/佐藤秀明編『三島由…

福田和也の闘う時評・世間の値打ち・へそまがり世間論

福田和也が『週刊新潮』誌上で2002年から2014年まで足掛け13年連載した時評は、2002年5月2日・9日合併号から「福田和也の闘う時評」として始まり、2009年5月7日・14日合併号から「福田和也の世間の値打ち」に改題され、2014年1月2日・9日合併号から「福田和…

西村賢太「誰もいない文学館」

新連載(15.12)/藤澤淸造『根津権現裏』日本図書出版 第二回(16.01)/藤澤淸造『根津権現裏』聚芳閣仮綴装 第三回(16.02)/藤澤淸造『根津権現裏』聚芳閣上製布装 第四回(16.03)/呉承恩 田中英光『世界名著物語文庫 西遊記』 第五回(16.04)/朝山蜻一『キャ…

雑誌メモ

『文藝春秋』10月号「人声天語」(184)/「橋本忍のトンデモ作『幻の湖』のこと」 『週刊文春』8月30日号「文庫本を狙え!」(993)/柴田元幸『ケンブリッジ・サーカス』(新潮文庫) 『週刊文春』9月6日号「文庫本を狙え!」(994)/塚原渋柿園著・菊池…

雑誌メモ

『文藝春秋』9月号「人声天語」(183)/「名和宏を追悼する」 『週刊文春』7月26日号「文庫本を狙え!」(990)/リチャード・パワーズ『舞踏会へ向かう三人の農夫(上・下)』(河出文庫) 『週刊文春』8月2日号「文庫本を狙え!」(991)/エリック・ホブ…

雑誌メモ

『文藝春秋』7月号「人声天語」(181)/「岩波ブックセンターのあとはひどい事になっている」 『文藝春秋』8月号「人声天語」(182)/「トム・ウルフとフィリップ・ロスが続けて亡くなった」 『週刊文春』6月7日号「文庫本を狙え!」(983)/ヨゼフ・チャ…

坪内祐三/『本の雑誌』

1991年01月 角川文庫のアメリカ文学が僕の大学だった*1 1992年04月 新刊本をチェックしに古本屋へ 1996年10月 特集 坪内祐三ロング・インタビュー 1997年04月 坪内祐三の読書日記*2 1997年10月 明治文化が一冊でわかる労作 1998年12月 猪瀬氏にお答えする 19…

雑誌メモ

『文藝春秋』6月号「人声天語」(180)/「某大書店で信じられない言葉を耳にした」 『週刊文春』5月17日号「文庫本を狙え!」(980)/田邊園子『伝説の編集者 坂本一亀とその時代』(河出文庫) 私は坂本一亀の姿を一度だけ見かけたことがある。私が『東京…

雑誌メモ

『文藝春秋』5月号「人声天語」(179)/「貴公俊は貴乃花親方の犠牲者だ」 『週刊文春』4月12日号「文庫本を狙え!」(977)/逢坂剛、船戸与一、志水辰夫、夢枕獏、黒川博行、大沢在昌、北方謙三、宮部みゆき『棋翁戦てんまつ記』(集英社文庫) 『週刊文…

宮崎哲弥「現世美徳探問 Virtuous Reality」

①悪徳の栄え──「妻の恋」を推奨する人々*1②生誕の災厄──子供の生を弄ぶ人々*2③魔術師の朝──軽信に安んずる人々*3④氷の微笑──「やさしさ」に淫する人々*4⑤自由と禁忌──近親相姦を容認する人々*5⑥世界終末戦争──「情報公害」を撒き散らす人々*6⑦アメリカの影──…

雑誌メモ

『文藝春秋』4月号「人声天語」(178)/「この先神保町はどうなって行くのだろう」 『週刊文春』3月8日号「文庫本を狙え!」(972)/葉室麟『河のほとりで』(文春文庫) 『週刊文春』3月15日号「文庫本を狙え!」(973)/梅崎春生著、荻原魚雷編『怠惰の…

福田和也「私と美術」

『アートコレクターズ』2014年2月号(NO.59)〜2022年12月号(NO.165)*1 vol.1/高橋由一「豆腐」 vol.2/大竹伸朗さんとのこと vol.3/マヤコフスキーとロトチェンコ vol.4/棟方志功 vol.5/壺阪寺の瓦経 vol.6/吉田明 三嶋 あわび鉢 vol.7/みよしさん…

雑誌メモ

『文藝春秋』3月号「人声天語」(177)/「相撲における常識を外国人力士にどう伝えて行くか」 『週刊文春』2月1日号「文庫本を狙え!」(967)/西東三鬼『西東三鬼全句集』(角川ソフィア文庫) 『週刊文春』2月8日号「文庫本を狙え!」(968)/薬師寺克…

雑誌メモ

『文藝春秋』2月号「人声天語」(176)/「一九六八年革命から五十年」 『週刊文春』1月18日号「文庫本を狙え!」(965)/大庭萱朗編『田中小実昌ベスト・エッセイ』(ちくま文庫) 『週刊文春』1月25日号「文庫本を狙え!」(966)/網野善彦・鶴見俊輔『…